関東、東北で日照4割 前線停滞 作物管理に注意 果菜が品薄高

 関東や東北の太平洋側を中心に全国で顕著な日照不足が続いている。6月下旬からの日照時間は平年に比べ4割にとどまる地点があり、市場ではニンジンや、ピーマンなど果菜類が品薄高だ。気象庁は、前線が日本付近にとどまり続けるため、少なくとも7月中は日照時間が少ない状況が続くとして、農作物の管理に注意を呼び掛けている。

 同庁によると、東北から九州の広い範囲で6月25日ごろから、日照時間が記録的に少ない状態が続く。7月豪雨をもたらした前線の停滞、関東や東北地方太平洋側に湿った東の風が入ったことで、全国的に雨や曇りの日が多かった。

 7月20日までの過去30日の日照合計は東北地方太平洋側、関東で平年比4、5割の地点が多い。過去20日間の合計では新潟県上越市で22・7時間(平年比27%)、茨城県北茨城市で22時間(同27%)を記録した。東北でも福島県相馬市で18・6時間(同25%)、宮城県気仙沼市で22・2時間(同26%)で、深刻な日照不足になっている。

 天候不順は、野菜相場にも影響している。各地区大手7卸のデータを集計した日農平均は、ニンジンの7月中旬の価格が1キロ239円と、平年(過去5年平均)の2倍以上に高騰。他品目も生育や収穫作業の遅れを取り戻せず、品薄基調が続いている。ニンジンの大手7卸の販売量は1604トンと平年比で17%少ない。「低温や日照不足で肥大が進まず細物の割合が多い」(卸売会社)ため、6月下旬以降、同1、2割減のペースが続く。

 果菜類も、値上がりが目立つ。ピーマンの日農平均価格は1キロ514円と平年比34%高、キュウリは1キロ333円と同15%高。首都圏のスーパーは「キュウリは割高のため、袋からばら売りに切り替えている」と話す。

 向こう1週間は全国的に曇雨天が続いて生育や収穫が遅れ、月内は品薄高で推移する品目が多い見通し。23日からの4連休に向けて、週内は品薄高が続く見通しだ。
 

異例の長雨 いつまで… 病害虫、栽培管理 対策に奔走


 約1カ月も続く異例の曇天・長雨で、特に日照が不足する産地では、病害虫の発生や出荷量減少への対応に苦慮している。各産地は消毒や換気徹底など、影響を最小限に抑える対策に追われている。
 
 東北では日照不足が続き、水稲農家が悲鳴を上げている。例年なら6月末から中干しで稲の根を強化させるが、雨と曇天が続き、田が乾かない状況だ。

 

中干しの時期を迎えても曇天が続き、「田が乾かない」と話す平吹さん(右)と古内係長(左)(山形市で)
 7月の日照時間が平年比59%の山形市。JAやまがた南沼原水稲栽培研究会は20日、草丈や茎数のデータを集める生育調査のため、管内の水田を巡回したが、同研究会の会員の表情は険しかった。

 例年では田はひびが入るほど乾いた状態になっているが、この日、平吹拓也会長が足を踏み入れると片足が沈み、足跡にはみるみる水がたまった。

 平吹会長は「生育は順調」とした上で「一向に水田が乾かず、根が張るか不安」とうつむく。平吹会長が栽培する水稲25ヘクタールは、8割が中干しできていない状況だ。「出穂期が間近に迫る中、今の天候が続くと生育が心配」と話す。

 山形県の出穂期は8月5日前後の見込みで、JAは25日からたん水管理に切り替えるよう呼び掛けていく。中干しできずに出穂期を迎えれば、根腐れや収穫時の倒伏などが懸念される。また、日照不足は、病害虫の発生にも影響する。

 JA営農米穀課の古内拓己係長は「カメムシはここ10年で見ないほどの高い発生率。品質に関わるため、生息場になる雑草の対策と見回りを強化する」という。

 いもち病は、気温20~25度程度、曇天や雨で高い湿度を好む。古内係長は「早期防除の徹底を呼び掛け、産地一体となって高品質の米生産を目指す」と強調した。 

 福島県のJA会津よつばでは、南部で水稲のいもち病が発生している地点がある他、トマトの着色遅れ、キュウリやインゲンの生育不良などが発生する。JAは病気を防ぐため、葉を間引いたりハウスを換気したりして風通しを良くするよう呼び掛ける。桃やリンゴなどの果樹では、地面に反射シートを敷く──といった指導を進め、被害を最小限に抑える構えだ。

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