京アニ犠牲者の絵 田んぼアートに 故郷の静岡県菊川市 母親も協力

大村さんの絵本を図柄にした田んぼアート(静岡県菊川市で)

 2019年7月に発生した京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった大村勇貴さん(当時23)の作品が、出身地である静岡県菊川市の田んぼアートで浮かび上がった。

 約20アールの水田に赤や黄色など10種類の稲を使い、絵本の一場面を再現。鑑賞に訪れた人々の心を魅了している。

 図柄は、大村さんが常葉大学造形学部在学中に同県松崎町を舞台に創作した「うーちゃんのまつざき」の一シーン。主人公のうーちゃんが、かかしたちと一緒に同町を旅する物語で、田んぼアートには、両親が恋しくなり泣き出してしまったうーちゃんが白い竜に乗って両親と再会する場面と、絵本の表紙の2枚を描いた。

 水田には大村さんの母親が手作りしたかかしが立ち、周りには大村さんの好きだったヒマワリを500本植えた。

 田んぼアートは、JA遠州夢咲や地元自治会などで組織する実行委員会が企画し、今年で13回目。大村さんも母親が菊川市出身で実行委員会のメンバーと交流があったことから、家族でたびたび鑑賞に訪れていた。

 池田正委員長によると、以前から大村さんの絵を田んぼアートで描く計画があったという。事件後に改めて両親の意向を聞くと「地域のためなら」と同意が得られた。同委員会には大村さんの両親も加わり、デザインの構想や田植えに汗を流した。

 池田委員長は「勇貴君の思いが詰まった作品を上手に表現できればと皆で協力し、最高の出来になった。多くの方に見てほしい」と話す。

 約7メートルの高さのやぐらからアートを眺める「やぐら鑑賞」は、8月10日までの土・日曜日、祝日と8月11~16日の午前9時から午後4時に開放。1人200円で鑑賞できる。
 

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