日本向け米産豚肉 協定発効で販促加速 調味ひき肉に照準

 米国産豚肉の対日輸出量が増えている。1月に発効した日米貿易協定による関税引き下げが背景にある。新型コロナウイルス禍による外出自粛中の家庭での調理需要増も響いた。米国食肉輸出連合会(USMEF)は、スーパーなどでの試食販売ができない日本の現状を踏まえ、今後はオンラインによる販促を強化する方針で、対日輸出をさらに増やしたい構えだ。

 USMEFによると、今年1~5月の同国産豚肉(調整品を含む)の対日輸出量は、前年同期比7%増の16万9912トンで、輸出額は同10%増の7億401万4000ドル(約750億円)となった。

 前年は、環太平洋連携協定(TPP)発効に伴い、カナダ産などTPP参加国からの輸入が増えた半面、米国産はシェアを落としていた。

 今年は特に4月の伸びが目立つ。同月の輸出量は、前年同月比28%増の3万9232トン。輸出額は同39%増の1億6421万5000ドル(約174億円)となった。

 品目別ではこしょうなどで調味した豚ひき肉が強い。1~5月の輸出量は、前年同期比43%増の約5万トン、輸出額は同69%増の約1億5000万ドル(約160億円)にも上り、この品目での日本市場でシェアを前年同期の57%から79%に伸ばした。日本農業新聞の取材に対し、USMEFは「19年まで課した20%のひき肉関税を日米貿易協定で下げたからだ」と増加の背景を明かす。

 また、新型コロナウイルス禍で日本でも会社員の在宅勤務や就学児童・生徒の自宅学習が増え、家で調理をする消費者が増えて「ハンバーグなどのひき肉需要が上がった」という。

 日本向け豚ひき肉の利益率の高さも、対日輸出拡大を促している。現地報道によると、米国産豚のバラ肉(腕部分)は、韓国、メキシコ、カナダ、コロンビアの加工事業者に人気が高い。しかし「日本向けに豚ひき肉として加工すればもっと利益が上がる」(USMEFのダン・ハルストラム会長)。

 USMEFは、コロナ禍が災いし、日本のスーパーが従来の試食販売をできないという状況を念頭に、今後はソーシャルメディアなどオンラインでの宣伝を強化する方針だ。

 一環として動画サイト、ユーチューブのチャンネルでも日本市場へのPR動画を公表している。日本の消費者の多くは、食品をオンラインで購入する傾向が弱く、ほとんどの人が店舗で直接購入することを好むため「当会がインターネットで効果的に豚肉の特質を日本の消費者に説明し、オンラインでの購入を促し、消費拡大を促すことが最重要だ」と強調する。
 

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