[集落営農 生き残り戦略](3) 新品目、畦畔管理で連携 分業取り入れ負担減 大分県豊後高田市

あぜのセンチピードグラスの生育を見る中野さん(中)、早田さん(左から2人目)(大分県豊後高田市で)

 大分県豊後高田市では、複数の集落営農組織が新品目の栽培などに連携して取り組んでいる。ハトムギ栽培は組織間で栽培と収穫、乾燥調製を分担。あぜ草管理のために機械も共同購入した。連携の間に入るのは、市の組織や集落営農法人会だ。田植えなどの主な作業は各組織で担い、周辺作業で協力して所得向上につなげる。
 

投資少なく安定収入に


 ハトムギの栽培が始まったのは2016年。特産のソバが雑草の繁茂や連作障害で減収する中、輪作作物として導入した。20年の栽培面積は市全体で25ヘクタール。収穫は(有)豊後農興が、乾燥・調製は農事組合法人グリーンファーム畑が、一手に引き受ける。

 ハトムギの収穫期は9月末~11月。アレルギーの原因となるソバと機械を分ける必要があり、それぞれの生産組織が機械を所有する負担を減らすため分業が始まった。

 
 グリーンファーム畑はハトムギを作付けしないが、以前から米の乾燥で施設とノウハウを持っていたため、乾燥を担うことになった。代表の早田孝伸さん(71)は「米の乾燥と時期が重なり忙しいが、管理受託料が一定の収入になり、やって良かった」と語る。

 ハトムギは水に強いため水田転換畑でも作りやすく、田植え前の5月中旬に種まきができて作業の分散になる。収量は10アール当たり平均200キロほど。市によると、収量が良ければ産地交付金も含めた売り上げが同10万円を超えることもある。

 作業を支援するのは、豊後高田市の農業経営サポートセンターだ。ハトムギの収穫用コンバインや乾燥機を所有し、法人に作業委託する。同市農業ブランド推進課の秋吉賢一課長補佐は「市が公社をつくって作業する方法もあるが、地域の法人に委託した方が円滑に地域と連携でき、継続性がある」と狙いを語る。
 

高価な農機共同で購入


 グリーンファーム畑など市内5法人は、共同で暖地型の芝・センチピードグラスの種をまき、あぜを覆って草刈りを省力化する取り組みも進む。

 中山間地で大きなのり面があり、除草は大きな課題だった。きっかけは大分県集落営農法人会豊後高田支部で豊後大野市の取り組みを視察したことだ。手を挙げた5法人で「畦畔(けいはん)部」を立ち上げ、14年に数百万円する種まき機を共同で購入した。毎年数千平方メートルずつ種まきしている。

 参加する農事組合法人くなわ郷雲林の代表、中野正年さん(67)は「種子の吹き付けは、100メートルもあるホースを皆で引っ張るので人手が最低5人は必要。田植えで忙しい6月に重なるので、各法人から1人ずつ都合してどうにかできている。機械も高価で1法人では買えない。連携して良かった」と語る。

 グリーンファーム畑を中心に、肥料の共同購入もしている。5、6法人が集まることで、20キロ袋500体のロットを確保した。JAおおいたの10トントラック満車特典で、5%の値引きを受ける。できるところから連携し、成果を上げている。
 

グリーンファーム畑、くなわ郷雲林


 グリーンファーム畑は、31ヘクタールの農地で水稲17ヘクタール、麦20ヘクタール、ソバ15ヘクタールなどを栽培する。農産加工にも力を入れる。くなわ郷雲林は18ヘクタールの農地で水稲12ヘクタール、麦12ヘクタール、ハトムギ1・2ヘクタールなどを栽培。グラジオラスやナバナを栽培する女性部の活動も盛ん。
 

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