チーズ消費過去最高 国産は減少続く 商品力強化が鍵

 2019年度の国内チーズ消費量が35万8229トンとなり、5年連続で過去最高を更新したことが農水省の調べで分かった。調理用途が広がるナチュラルチーズを中心に国内市場が拡大している。大型貿易協定発効で輸入品が増えた一方、国産は微減傾向にあり、シェア低下が続く。国産の原料乳確保と商品力の強化で、堅調な消費を捉えることが鍵となる。

 チーズの総消費量は右肩上がりで、19年度も前年度を1・5%上回った。消費が好調な一方、国産の生産量は3年連続で減少。国産割合を見ると13・1%で、前年度比0・5ポイント、10年前からは6・0ポイント減少した。

 需要の増加に対し、原料乳の供給が酪農基盤の弱体化から追い付いていない課題がある。その半面、輸入品はオセアニアや欧州連合(EU)産などを中心に増加し、割合も86・9%にまで上昇した。

 総消費量のうち、ナチュラルチーズが同3・5%増の21万7718トン。輸入品の増加が大きかった。プロセスチーズは同1・5%減の14万511トン。5年ぶりに減少し、国産、輸入ともに前年を下回った。

 国内のチーズ市場は、家飲みのおつまみ需要、家庭での菓子作りや料理の素材といった需要増で好調が続く。健康機能性に対する消費者の認知度向上も後押しする。その中で、環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の相次ぐ発効を機に、「商社や小売りが積極的に海外産チーズを売り込んだ」(業界関係者)形だ。

 20年度に入っても新型コロナウイルス禍で家庭需要が盛り上がり、4~6月の消費は前年比10%超の増加と勢いがある。

 農水省は「需要に伸びしろがあり、消費者の国産品への関心も高い。フレッシュチーズやソフトチーズなどで輸入品に勝る鮮度を売りにし、付加価値化を進めれば活路はある」(牛乳乳製品課)と指摘する。


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