「耐」「静」「忍」

 「耐」「静」「忍」。さてこれらの漢字は、何を表しているでしょう▼答えは今年の夏休み。明治安田生命保険のアンケートは、コロナ禍の世相をよく映している。文字通り「静かに耐え忍ぶ」夏。今夏は長雨も重なり、気分はさらにふさぐ。見切り発車の「Go To トラベル」も感染拡大のトラブルキャンペーンにならないかひやひやもの。アクセルとブレーキを踏み間違えた車の乗客になった気分である▼先の調査によると、夏休みに使うお金は6万5000円余り、2006年の調査開始以来最低となった。旅心は冷え財布のひもも固い。お盆の帰省をためらう人も多い。墓参りもオンラインや代行サービスに頼るご時世である。筆者も老親に帰省を打診すると、「東京から菌を持って来んでくれ」と一蹴されてしまった▼親にしてこの物言い。東京の人が今どんな目を向けられているか推して知るべし。地方出張もしかり。「来県の折はPCR検査を受けてもらい、できれば2週間待機を」。先方は旧知の仲だけに冗談めかすが、本心でないかとつい勘繰ってしまう。そのうち関所や通行手形が復活しそうな雲行きだ▼この不安と混乱の中にあって国会だけは夏休みとは。国民がいつまでも「静かに耐え忍ぶ」と高をくくらない方がいい。
 

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