〈もがみ川 のぼればくだるいな舟の いなにはあらず この月ばかり〉(よみ人知らず)

 〈もがみ川 のぼればくだるいな舟の いなにはあらず この月ばかり〉(よみ人知らず)▼これは古今和歌集にあり、恋の歌とされる。「いな舟」は刈り取った稲を運ぶ舟。農業にも輸送にも、古き世から最上川は恵みの川だったことをうかがわせる。今年の梅雨はこの川をも氾濫させ、濁流が家や農地を襲った。7月豪雨による死者は熊本県を中心に80人を超える▼豪雨や台風による洪水の被害は世界的に増加。片方で干ばつが各地で発生し、農業にも被害が出ている。いずれも温暖化の影響と考えられている。水質汚染も深刻である。プラスチックごみに注目が集まるが、産業排水や生活排水の垂れ流しによる川の汚れもひどく、3億人が健康を脅かされている。『図解でわかる14歳からの水と環境問題』(インフォビジュアル研究所著、太田出版)で学ぶ▼「水は方円の器に随(したが)う」という。器を作るのも人なら、水を狂暴にするのも、枯らすのも、汚すのも人である。暮らしを見ても、水の無駄使いや油などを流すことはCO2の増加を招く。上下水道の設備には電力が使われているからだと同書にある。食料の輸入もそう。燃料をたくさん使い、CO2の排出量を増やす▼きょうは「水の日」。水を守ることは人を守ること。何ができるか考えたい。
 

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