夏休み短縮 給食用増 生乳需給に逼迫感 生産急ピッチ

夏休みが短くなり前倒しで稼働した、トモヱ乳業の学校給食用牛乳の生産ライン(20日、茨城県古河市で)

 今夏、飲用向けの生乳供給量が大きく増加している。家庭での牛乳消費が好調な中、新型コロナウイルスの影響による夏休みの短縮で、学校給食用牛乳(学乳)の供給が例年より多くなっているためだ。乳業メーカーは学乳の生産を急ピッチで進めるが、生乳需給に逼迫(ひっぱく)感も出ている。
 
 中央酪農会議(中酪)によると、7月の指定生乳生産者団体を通じた生乳の飲用向け販売量は、前年同月比7・9%増の29万3311トンだった。特に北海道は同20・5%増で、都府県への移出量や産地パック牛乳の注文が大きく増えた。

 8月は多くの地域で、夏休みが明けるのが1、2週間早まる。学乳への供給が増えるため、生乳の飲用需要は高水準で推移しそうだ。Jミルクは指定団体経由以外も含む学乳の生産量を、8月は前年同月比2・7倍の1万6000キロリットルに増えると見通している。

 茨城県古河市のトモヱ乳業は、茨城や埼玉県、東京都などに日量22万本(1本200ミリリットル)の学乳を出荷している。例年は夏休みに入る7月下旬から40日間ほど生産を止めるが、今年は2週間後に生産を再開。8月の第3週に通常の8割まで生産ラインが稼動し、第4週以降はフル稼働する見込みだ。

 生乳の生産量は急激な需要の高まりに追い付いていない。7月の指定団体の生乳受託乳量(生産量)は59万7286トンで前年同月より1・2%増えた。しかし8月は猛暑が続き、関係者の間では、都府県の生産量は前年を下回ることが予想されている。

 生乳需給の逼迫を受けて、指定団体は県域をまたぐ生乳流通の調整に努める他、業界団体も小売りに牛乳の安売りを控えるよう要請するなど、対応に追われる。

 政府は食料・農業・農村基本計画で、生乳の生産量を10年後の2030年度に780万トンと、約50万トン増やす目標を掲げている。不測の事態に対応できる酪農の基盤強化が急務だ。

おすすめ記事

経済の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは