農地センサー ソバ収穫期逃さず 積算温度を管理 長野県で試験着手

農地に設置したセンサーを確認する田中社長(長野県安曇野市で)

 ソバ栽培にスマート農業技術を利用して収穫の適期を見極める、全国でも珍しい取り組みが長野県で始まった。安曇野市と松本市を中心に計150ヘクタールを栽培する(株)かまくらやは、農地に温度などを測定するセンサーを設置し、データを集める。発芽のそろいが難しく収穫適期が1週間と短いソバの、安定生産につなげる考えだ。

 かまくらやは「キタワセソバ」を二期作で生産する。刈り取り適期は、開花最盛からの積算温度が500度に達した時とされる。ソバは子実が脱粒しやすく、適期を1週間過ぎるだけで大きく減収する。そこで通信機器施工業者のアルスターと連携し、8月まきの作型から生育測定を始めた。

 作型は4月まきの7月下旬収穫と、8月上旬まきの11月収穫。日照時間などの環境は農地によって変わるため、種をまいた順番で収穫適期が来るわけではない。分散する農地の収穫適期は人の目で見分けにくいという。

 かまくらやの田中浩二社長は「大規模化するほど積算温度の管理は難しくなる。勘や感覚に頼るだけでなく、データで管理し、若い従業員でも適期が分かるようにしたい」と意気込む。

 センサーは試験的に一つ設置した。電波を受信する機材を含め、価格は約20万円。センサーは太陽光などで動くため、電源は不要だ。集めたデータは無線通信で受信機に送る。通信料がかからないシステム「LPWA」を使い、15分ごとに農地の温度などを送る。

 リアルタイムのデータをインターネット上に反映し、従業員らはスマートフォンで確認する。栽培中の秋ソバ収穫で効果が見られた場合には、センサーを9個に増やす計画で、栽培ノウハウの可視化を進める。

 センサーでは種をまいた時に土中水分も測定する。土が水分を含んだ適期にまくことで、収量増が見込めるという。

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