群馬、栃木で牛、豚盗難相次ぐ

 北関東で、家畜の盗難が相次いでいる。栃木県足利市では24日までに農家2戸から子牛6頭、前橋市では養豚場4カ所から子豚ばかり170頭が盗まれ、栃木・群馬の両県警は、窃盗事件として捜査を進めている。いずれも手慣れた犯行で、JAなどは周辺の農家に警戒を呼び掛けている。
 

すぐに解体? 手慣れた犯行


 栃木県足利市では、農家2戸で6月20日~8月23日に、牛舎から子牛計6頭が盗まれる事件が3件発生している。

 県警足利署などによると、同市羽刈町の鶴田ファーミングでは、6月20日夕方から翌21日朝までに黒毛和種の子牛2頭(各約30キロ)、8月22日夜から23日朝までに黒毛和種の子牛3頭(各50キロ)が盗まれた。

 同市野田町にある別の農家の牛舎からも、8月9日朝から翌10日朝までに、和牛とホルスタインの交雑種の子牛1頭(150キロ)が盗まれた。2農場合わせた3件の被害総額は275万円相当に上るという。

 鶴田ファーミングによると、盗まれた5頭は生後2~4カ月の子牛。同社は6月の事件後に、牛舎周辺に防犯カメラを設置したところ、8月の事件の犯行の様子が記録されていた。

 映像によると犯人は少なくとも3人で、子牛の前後の脚を縛り、車に運び込む様子が映っていた。5頭の牛はいずれも耳標が付いた牛で、市場での売買はほぼ不可能だ。

 同社社長でJA足利畜産部会部会長を務める鶴田一弘さん(57)は「本当に残念だ。スタッフ一同、牛に対する愛情は並々ならぬものがある。昨日までいたわが子が突然取られたような思いで、悲しみと共に怒りを感じている」と話す。映像を見て「牛の扱いに慣れている人の犯行」と分析する。

 同社では牛舎周辺のフェンスを高くして侵入防止対策を取る他、警察に夜間のパトロール強化を依頼したという。

 牛に詳しい関係者からは「耳標の付いた子牛を盗んでいることから、日本のトレーサビリティーの制度を知らない人の犯行ではないか」という声もある。
 

 JA前橋市管内では、養豚場から豚が盗まれる被害が相次いでいる。盗まれた豚は「ユニット型」といわれる簡易型豚舎で育てている子豚で、7月上旬から現在までに前橋市内4カ所の養豚場で被害が確認され、被害頭数は約170頭に上っている。

 畜舎を確認した生産者が血痕を見つけ、1頭少ないことに気付き発覚した例の他、8月中旬に発生した例では約100頭が盗難に遭った。犯行の手口も似ており、同一犯の疑いも浮上している。豚に知識がある者の犯行ではないかとの見方も出ている。

 同JAの畜産担当者は「盗難現場を発見した際は絶対に犯人とは接触せず、距離を保ち、すぐに警察に通報するように」と生産者に注意を呼び掛けている。

 同市は養豚が盛んで、産出額は全国トップクラスを誇っている。
 

頭数確認を 日本養豚協会


 日本養豚協会は各都道府県組織に対し、同様の事件が起きていないか確認するよう促している。24日現在で茨城県でも被害があったという。

 同協会によると、豚房から少しずつ盗んでいるため、農場主が気付きにくく、出荷間際などで帳簿と突き合わせて頭数が合っていないことに気付く例もあるという。

 現場で解体した痕跡が認められた事例もあったという。
 

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