[新型コロナ] 緊急事態解除3カ月 牛肉、米、バター、脱粉 在庫積み上がる

 新型コロナウイルスの感染再拡大により飲食店の営業全面再開が遅れ、牛肉や米、バターなどの在庫が積み上がっている。いずれも家庭向けの販売は好調だが、業務向けの低迷が長期化して全体の需要の落ち込みを補えていない。政府の緊急事態宣言解除から25日で3カ月。販売の復調は、外食が鍵を握る。
 

販売復調の鍵は外食


 牛肉は飲食店向けの販売苦戦が長期化している。7月の連休前までは回復の兆しがあったものの、第2波への懸念で外食を控える動きが拡大。外食向けに和牛を卸す都内の食肉業者は「書き入れ時の8月盆も盛り上がりに欠けた。外食向けの販売は良くて例年の7割程度」と話す。銀座などに3店舗を展開する高級焼き肉店は「7月以降も客数は例年の半分程度」と厳しい状況を明かす。

 外食不振のあおりで、牛肉の在庫は前年を上回って推移している。農畜産業振興機構の推計によると、直近の6月末の国産品の在庫量は前年比12%増の1万575トン。輸入も含めた全体の在庫は15万トンに迫り、統計のある1990年以降で最多水準だ。農畜産業振興機構は「7、8月も前年をかなり大きく上回る」と予測する。

 膨らむ在庫が影響し、5月以降上げ基調にあった和牛相場は回復が鈍化している。東京食肉市場の8月(25日まで)の和牛枝肉の加重平均価格(A4・去勢)は1キロ当たり2061円で、前年比13%安。前月からはほぼ横ばいにとどまる。内食需要が旺盛なスーパーでの販売は好調が続くが、業務の苦戦が響く。

 米は、新型コロナ禍が消費低迷に追い打ちをかけた。全体の3割を占める業務用需要の落ち込みが長引き、在庫が例年以上に膨らんだ。農水省によると6月末時点の米の民間在庫は201万トンと4年ぶりに200万トン超の高水準となった。

 大手卸は「業務用の減少を家庭用販売で補おうとしているが、飲食店の経営が悪化し倒産すれば売り先自体がなくなる」と危機感を強める。同省によると、6月の米卸の業務用向け販売量は前年同月より11%減と、5月の減少幅より回復傾向にあったが、7月以降の感染再拡大で業務用の販売の鈍さが続いている。

 バターは、Jミルクの調べで6月末時点の在庫量が前年比49%増の3万9000トンに及ぶ。飲食店や土産向け加工品が伸び悩む。乳業13社の聞き取りをまとめた農畜産業振興機構の統計では、6月の業務用バターの販売量が前年比3割減だったことが影響した。7、8月はやや持ち直したが9月末時点の全体の在庫量も同4割増の3万8000トンになる見通し。

 脱脂粉乳もコロナ禍で飲用向け生乳からの振り向けで積み上がった在庫の消化が進まず、8月末も8万トン強と前年を2割近く上回る見込みだ。
 

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