行きはタマネギ 帰りは硫安肥料 貨物列車をフル活用 石北線維持へ試験 ホクレン

 ホクレンは今年からタマネギ列車の片荷運送をなくすため、札幌市など北海道の道央圏に荷物を積み下ろした後、北見市向けにほとんど空の状態で輸送されてきたJRコンテナに肥料を詰める実証実験を始めた。JAきたみらいに硫安肥料を送る。帰りの便も有効活用し、廃線の懸念が残る石北線の維持を目指す。

 8月中下旬から翌年の3、4月まで北見駅から道外にタマネギなど農作物を輸送するために石北線を走行する臨時貨物列車(北見─北旭川駅間)は、「タマネギ列車」の名称で親しまれる。同線はJR北海道が2016年に表明した、単独で維持困難な10路線13線区(うち既に2路線2線区は廃線)の一つだ。

 同列車は元々シーズン中に1日3往復走行していたが、「空コンテナ問題」などで採算が合わないことや列車の老朽化を理由にたびたび廃止が議論されてきた。11年8月には1日1往復に減少。現在は1回の走行で、11両が55個のコンテナ(1個5トン)を運んでいる。

 石北線は、日本最大のタマネギ生産地であるオホーツク圏のタマネギやジャガイモといった農産物などを道外に送り出すための物流の大動脈。仮に廃線となれば物流に深刻な影響を及ぼす。

 廃線を防ぐためホクレンは今年から、JAきたみらいに向けて、小麦などの初期生育を促すための追肥でよく使われる「硫安肥料」を、北見駅に戻る便に詰める試験運行を本格化している。

 同肥料はこれまで山口県で肥料などを作る宇部興産から釧路港までフェリーで運んだ後、トラックで150キロほど離れた訓子府町などの保管施設に輸送してきた。現在は5トンコンテナに同肥料を一つ500キロのフレコンで九つ詰める。

 ホクレンは1月にJR貨物などと協議し、宇部興産が負担する輸送費用をフェリーを使う場合と同じ水準まで抑えることに成功。今年の3月からJAきたみらいに年間2100トンほど送る同肥料のうち、およそ600トンをJRコンテナに換えて輸送している。

 JAきたみらいの生産資材グループは石北線がなくなると物流に大きな影響が出ることを強調。「コンテナへの詰め方など改善点は多いが、物流を守る上で注目すべき取り組みだ。今後の動向を注視しつつ、前向きに協力したい」と期待する。

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