中山間直払い 急傾斜で減少 創設20年 全体ピークの3%減

 中山間地域等直接支払交付金の2019年度の交付面積が66万5394ヘクタールとなり、ピークだった14年度より3・2%減ったことが、農水省の調査で分かった。同制度は19年度で創設20年目。条件不利地での営農を支えてきたが、条件が特に厳しい急傾斜の農地では交付面積の減少が進む。

 同交付金は2000年度に創設。集落内で協定を結び、5年間の営農継続を要件として、農地の維持管理などに助成する。5年を一区切りに制度を見直し・運用しており、20年度から第5期の対策に入った。

 交付面積は14年度に過去最大の68万7220ヘクタールを記録した。だが、第4期対策に切り替わった15年度には65万3815ヘクタールと約3万ヘクタール減り、過去最大の下落幅となった。このうち勾配が20分の1以上(田の場合)の急傾斜地で約2万ヘクタール減った。同省は「高齢化が進み、特に条件が不利な急傾斜地の営農継続が難しくなっている」(地域振興課)と指摘する。

 急傾斜地の交付面積は直近の19年度、19万5657ヘクタールだった。過去最大だった04年度の22万4912ヘクタールからは約3万ヘクタール減った計算だ。一方、勾配が100分の1以上20分の1未満(田の場合)の緩傾斜地は、19年度の交付面積が18万8077ヘクタールと過去最大となった。傾斜の緩急により、明暗が分かれた。

 交付面積の減少に、農水省も対応を強化してきた。15年度には勾配が10分の1以上(同)の超急傾斜地での活動を支援する加算措置を導入。19年度の交付面積は15年度に比べ約6600ヘクタール増の1万7668ヘクタールとなった。

 20年度からは、農家にとって大きな懸念材料だった、耕作放棄地が発生した場合の交付金返還措置を緩和した。

 同省は7月から大学教授らが委員の第三者委員会を設置し、制度の検証を進めている。この中で委員からは現状の対策の効果は一時的で「6期になると交付面積が大きく減少するのではないか」との意見も出ており、対策の強化が課題だ。

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