豚熱発生2年 イノシシ捕獲3割増 効果的対策へ 地域一体で協力を

 豚熱の発生から2年がたち、国は終息を目指しウイルスを媒介する野生イノシシ対策に力を入れている。24都府県に設定している捕獲重点エリアでは、捕獲頭数が2、3割増加。感染拡大防止へ、専門家は地域が一体となって効果的対策に取り組む重要性を指摘する。
 
 捕獲重点エリアは2019年9月から設置しており、20年6月までの重点エリア24都府県の捕獲実績は前年比で2、3割高くなっている。野生イノシシの感染は17都府県で確認され、9月2日時点で約2600頭に上る。

 国はイノシシ向けの経口ワクチンを、6月までに23都府県で約60万個散布。イノシシの抗体付与率向上を進めている。有識者の検討会では経口ワクチン散布継続のため、現場の作業負担軽減や費用対効果を考慮した見直しが必要としている。

 岐阜県では、情報通信技術(ICT)を活用した捕獲通知システムの導入を推進。19年度は国と県の補助金で60基導入した。利用者からは、わなの見回りの労力軽減や捕獲効率化につながると好評だった。20年度は400基設置予定で、引き続き捕獲を強化する。電気で止め刺しする方法も導入し、血を介したウイルス拡散を防止する。

 農研機構・中央農業研究センター鳥獣害グループの平田滋樹上級研究員は、「野生イノシシ対策は、個体数を減らすこととイノシシに抗体を付けることが必要」と指摘する。

 イノシシに経口ワクチンを食べさせるための事前の誘引や隠れ場をなくすなどの環境整備、侵入防止対策が重要で、猟友会や畑作農家など地域全体で協力体制を構築する必要性も呼び掛ける。養豚場で対策を徹底していても、近くの畑で野菜を放置するなどしていればイノシシを呼び寄せるからだ。

 ICT技術の導入による省力化や、電気で止め刺しすると作業者の精神的リスクも少なくウイルス拡大を防げるため、そうした技術を正しく使える人材育成にも力を入れる必要性を強調する。

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