温州ミカン変色の害虫 サビダニに土着天敵 静岡県

天敵放飼・花粉散布区の果実(右)と無放飼・無花粉散布区の果実(静岡県農林技術研究所果樹研究センター提供)

 県農林技術研究所果樹研究センターは温州ミカンの重要害虫、ミカンサビダニに対する有力な土着天敵を発見した。コウズケカブリダニで、代替餌の花粉を与えると密度が高まり被害を抑制する効果が高まる。県内のサビダニ多発地域で試験し、花粉を与えたり土着天敵に影響のない薬剤を散布したりする総合防除体系を構築して、効果を確認した。

 ミカンサビダニは極めて小さく、かんきつの樹上に通年いて越冬する。春、新葉で増殖し、夏になって多発すると果実に灰白色や黒褐色のさび状の被害を与え、商品価値をなくす。

 これまでは頻繁に散布する黒点病防除の殺菌剤に殺虫効果があり、サビダニも同時に防除できていた。しかし近年、同防除剤の抵抗性サビダニが出てきて、被害が問題になっている。殺ダニ剤で抑える方法もあるが、重要害虫のミカンハダニを抑制している土着天敵のミヤコカブリダニを殺してしまう恐れがある。そこで、同センターは土着天敵に着目した。

 ハダニ天敵のカブリダニは国内に90種超いる。この中からかんきつ園に土着し、サビダニも食べる雑食性のものを探しコウズケカブリダニに絞り込んだ。試験樹にこの天敵を放飼すると、サビダニを食べて被害を抑えた。花粉を餌に与えると増殖し、5~10月の長期間、サビダニの発生を抑えることが分かった。

 場内試験の被害果率はコウズケカブリダニの無放飼区が約35%、放飼+花粉散布区は約6%だった。無放飼+花粉散布区は約15%で、無放飼区よりサビダニが少なかった。土着のコウズケカブリダニがサビダニを食べたとみている。

 この結果から、コウズケカブリダニ発生初期の4~6月の散布薬剤を見直して保護し、同時に他の病害虫も抑えるサビダニの総合防除体系を組み立てた。

 同センターの土田裕太主任研究員は「現地試験でも効果を確認し、防除体系がほぼでき上がった。多発地域では防除の見直しが必要になる。来年度から本格普及を目指したい」と話す。

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