台風10号 深い爪痕

強風で倒伏した小菊(長崎県佐世保市で)

彼岸控えた小菊倒伏 長崎


 6、7日にかけて沖縄・九州地方に接近した台風10号は、各地に被害をもたらした。離島では特産のサトウキビに被害が集中、本土でも園芸品目などで被害が明らかになってきた。

 JAながさき西海管内では、風雨の影響で菊などが倒伏被害を受けた。秋の彼岸(19~25日)の出荷が迫る中、農家やJAは対応に追われている。年末向けの菊の定植時期とも重なり、農家は「とても手が回らない」と漏らす。

 久田浩嗣さん(40)の園地では、出荷を控えた小菊が一部倒伏した。台風9号が通過した時点でハウスのビニールが破損。10号接近前には16棟のハウスのビニール全てを撤去していたため、ハウス自体の倒壊はなかったものの、内部に被害が出た。

 久田さんによると、今年は梅雨が長引いたことで、彼岸向けでは通常7月中・下旬に始まる花芽分化が6月ごろから始まった。「早く花芽が付いたことで丈が伸び切らなかった。短いものでは、例年の半分ほど」だという。

 倒れた菊も苗を起こし防除すれば、彼岸の出荷に間に合う見込みはある。ただ、この時期は年末向けの定植作業にも取り掛からなければならない。撤去したビニールの張り直しもあり「(彼岸向けの)出荷どころではない」と打ち明ける。

 JAの担当者は「注文分にはできる限り対応したい」と話す。
 

サトウキビ受難 鹿児島・沖縄


 JA鹿児島県中央会は9日、県内JAが8日午後5時現在でまとめた台風10号の被害状況を明らかにした。離島ではサトウキビやゴマに被害が集中。本土では野菜や果樹を中心に被害が広がった。現在も調査中のJAが多く、被害額は増える見通しだ。

 JAあまみでは、喜界町で特産のゴマが大きな打撃を受けた。栽培面積の70%に当たる120ヘクタールで塩害や倒伏が発生。被害額は1億6128万円に上る。サトウキビも全域で1億6893万円の被害が出た。

 JA種子屋久の被害額は1億2159万円。でんぷん用・青果用サツマイモは、塩害や葉傷みで2265万円の被害。ポンカンやタンカンは約2割が落果し、屋久島を中心に1049万円の被害が出た。

 JAさつま日置管内ではニガウリ(ゴーヤー)で約400万円の被害が出た。中晩かん「大将季」は裂果が発生し、被害額は700万~1500万円。水稲も塩害や倒伏で減収が見込まれる。JA鹿児島きもつき管内では、新ゴボウや白ネギ、ピーマンの葉折れが発生している。

 沖縄県は8日、台風10号による農林水産業被害報告(第1報)を発表した。被害総額は2億7001万円。サトウキビ被害が2億6807万円で大半を占めた。

 地域別では大東地方が全体の95%に当たる2億5687万円。沖縄本島北部で1120万円。大東地方では、JAおきなわなどが塩害緩和と早急な回復のため、かん水の徹底を呼び掛けている。

 畜産関係では南大東村で堆肥舎への被害が出ており、詳細を調査中だ。

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