[現場ルポ 熱源を歩く] 復興見えぬ古里 戻るか、諦めるか 福島・大熊町 帰還2%

帰還困難区域のバリケードを見詰める松永秀篤さん(福島県大熊町で)

 東京電力福島第1原子力発電所事故による避難指示が、昨年4月に一部地区で解除された福島県大熊町。東日本大震災の発生から11日で9年半を迎え、新しい町づくりが少しずつ進む。だが町に帰還した人は、全体の2%と、復興には程遠い状況だ。時間の経過と共に新たな生活基盤ができ、町民も帰還を選択しづらくなっている。

 JR常磐線の大野駅。町内唯一の駅が3月14日、営業を再開した。しかし、駅から町役場まで車で10分ほどの道中から見えるのは、無機質な銀色のフェンスとその向こうにある住居や店。フェンスの向こう側は帰還困難区域で、今も立ち入りが制限されている。

 町の一部で避難指示が解除され1年5カ月。現在、人が住める地域は町面積の約4割に及ぶが、帰還した住民は9月1日現在で257人と2%ほどだ。東電など廃炉作業に関わるために居住する約600人を加えても、震災前には程遠い。
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