もったいない

 もったいない。食べ残しから地球資源の無駄遣いまで、命を粗末にする全ての行為を言い表す▼仏教用語の「勿体(もったい)」に由来する。本来あるべき価値や姿を指す。それをないがしろにすることが、もったいない。日本では、一草一木、一粒の米に神が宿り、長年使い込まれた道具にもつくも神が乗り移るとされる。森羅万象に精霊を見るのは、祖先が自然と共に生きてきた証しだろう▼日本人が失いかけている心を再発見する映画「もったいないキッチン」を見た。監督は、オーストリアのダービィド・グロスさん。自称“食材救出人”の彼が、福島から鹿児島までキッチンカーで回り、フードロス解決のヒントを探る。食品廃棄の現場やリサイクル工場、精進料理に昆虫食、地域内循環を目指すパン職人、福島の農家とレストランの連携…。「もったいない精神は未来を持続可能にする革新的レシピ」と監督▼中でも83歳の野草料理専門家、若杉友子さんは「台所からの革命」を呼び掛けて痛快だ。彼女にとって野山は天然の食材庫、フードロスと無縁の自給的な生き方は、多くの人を引き付ける▼若杉ばあちゃんは言う。「食べ物が変われば、身体が変わる。身体が変わると心が変わる。心が変わると生き方が変わります」。食卓からおいしい革命を。

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