和牛遺伝子保護 初の条例 不正流通を防止 鳥取県10月施行へ

 鳥取県は11日、和牛遺伝資源保護や和牛振興を目的とした全国初の条例案を県議会に提出する。県有種雄牛の遺伝資源を「知的財産」に位置付けると条例に明記し、精液や受精卵など遺伝資源の不正な県外流出を防ぐ狙い。10月8日の本会議で議決される見通しで、可決されれば同日に公布・施行する。

 条例案は「鳥取県鳥取和牛保護及び振興に関する条例」(仮)。和牛受精卵の中国への不正持ち出し未遂事件が発生したことなどを受け、県は2019年5月から検討を重ねてきた。

 条例制定に先立ち、今年4月には、県有種雄牛「白鵬85の3」など特定の牛の精液や受精卵などの利用で、新契約「使用許諾契約」の適用を始めた。県が家畜人工授精所や生産者と直接契約を結び、未契約での利用や県外で飼養されている雌牛への利用を禁止するなど厳しく制限している。

 条例案は「遺伝資源保護」と「和牛振興」の2本柱。このうち「遺伝資源保護」では、4月から進める使用許諾契約の取り組みを、条例を根拠として強化し促進する。

 「和牛振興」では、生産から販売、流通で新たに振興計画を立てる。振興計画に基づいて県で予算化し、新規就農者への支援や生産技術の向上に取り組む。

 国は10月1日に改正家畜改良増殖法を施行し、家畜人工授精所で扱う精液譲渡の記録や、違反時の罰則を強化する。家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律も同日に施行し、遺伝資源を不正に取得・利用した場合の刑事罰や差し止め、損害賠償の請求措置を整える。県畜産課は「国の法律と県独自のルールで、不正流通を徹底的に防ぎたい」と話す。

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