埼玉・行田も子豚盗難 130頭、3県合わせ820超

 埼玉県行田市の養豚場から子豚約130頭(時価325万円相当)が盗まれていることに経営者らが気付き、10日、県警行田署に被害を届け出た。現場は豚の盗難が相次いで発生した群馬県と隣接しており、同一犯の可能性もある。一連の被害は3県で823頭に上り、生産者やJAは自治体や警察と協力して、家畜や農産物の盗難を防ぐパトロールに乗り出すなど警戒を強めている。
 
 10日午後2時50分ごろ、農場の経営者から「子豚が盗まれた」と同署に通報があった。

 農場では豚の総数を定期的に数えていて、9日に数えた頭数と前回数えた7月下旬の総数と著しく差があることに気付き通報したという。同署は、この間に盗まれたとみて、農場周辺の警戒を強め、窃盗事件として捜査している。埼玉県内では5月に本庄市で子豚2頭が盗まれている。

 豚が逃げないようコンクリート塀で囲われていた農場は、親豚と子豚を飼養。子豚だけで約2500頭を飼育しているという。

 県畜産安全課は、近隣県でも家畜の盗難被害が相次いでいることを受け、8月28日に県内約100戸の養豚農家に注意喚起の文書を出した。畜舎の出入り口や窓を施錠し、防犯カメラを設けることや、家畜の数を小まめに確認することなどを呼び掛けていた。8月31日には、県警にパトロール強化を求めていたところだった。

 同市での子豚の盗難事件を受け、県は11日、改めて県家畜保健衛生所などを通じて県内約100戸の養豚農家に盗難と豚熱被害防止を呼び掛ける文書を郵送した。
 

群馬 山林に内臓捨てる?


 肥育前の子豚は生きたまま大量に、出荷前の肉豚は少数をその場で処分して盗む──。

 群馬県を中心とした豚窃盗事件で判明した手口だ。被害豚舎の近くの山林では豚のものとみられる内臓が入ったごみ袋も見つかっており、警察が事件との関連を調べている。

 同県東部にある豚舎から子豚や育った肉豚計50頭余りが盗まれたのは、8月10日夕から11日朝の間だった。出勤してきた従業員が豚舎の異変に気付いたという。

 肥育した豚を集めた豚舎の入り口で、経営者が「ここに大量の血を水で洗い流した跡があった」と地面を指さし、「3頭の動脈を切り、血を抜いて持ち去ったのだろう」と怒りを押し殺した。

 生後50日前後の子豚舎には、血痕はない代わりに、犯人のものとみられる足跡が複数あったという。舎内は通路の両側に鉄格子で囲われた複数のスペースを設けており「子豚の足跡がなかったから、犯人は1頭ずつ抱えて持ち出し、50頭を運び去ったのではないか」とみる。

 近接する地域でも被害が確認され、現場近くの山林に捨ててあったごみ袋から豚の内臓とみられる肉塊が見つかったという。被害農家は「その場で解体したのだろう。犯人が捕まらなければ夜も眠れない」と言い、事件の早期解決を願った。

 一連の家畜盗難は8月を中心に茨城、栃木、群馬、埼玉の4県で18件発生。このうち豚は栃木を除く3県で820頭以上が盗まれた。被害豚舎のほとんどは周囲に人家がなく、夜間は無人だった。

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