[未来人材] 22歳。酪農学園大学3年生 女性ならではの畜産めざす SNSで知識深める 宮城県栗原市 兵藤なつみさん

実家で飼う繁殖牛と共に笑顔を見せる兵藤さん(宮城県栗原市で)

 宮城県栗原市の兵藤なつみさん(22)は、北海道の酪農学園大学循環農学類の3年生。新型コロナウイルス禍の今は、実家の家業である肉牛繁殖を手伝っている。酪農の技術を畜産に生かそうと勉学に励む一方、インターネット交流サイト(SNS)で女性を中心に畜産農家と交流。「将来は女性の強みを生かした畜産を実現したい」と夢を語る。

 兵藤さんは繁殖農家の一人娘。子どもの頃は、牛が遊び相手。学校から家に帰る前に牛舎に行き、牛の背中で本を読んだり、牛舎で宿題をしたりしていた。飼育する牛の生年月日を覚え、名付けは兵藤さんの役目。牛は当たり前の存在だった。

 地元の農業高校に進学し、大学では遺伝や繁殖学を専門的に学び、将来は人工授精師の資格取得も視野に入れている。兵藤さんは酪農を学ぶ理由を「畜産に比べて酪農の方が技術的に上。その技術を生かしたい」と話す。

 授業ではコンピューターなどで牛の動きを管理したり、乳量を把握したりと、最新の技術に触れることで刺激を得ている。

 コロナ禍で一時帰省し、家業を手伝うようになったが、「現実の壁にぶち当たっている」(兵藤さん)。学問として頭に入れたことと現場の作業に違いがあるからだ。父の浩さん(60)は「(大学に行ったことで)情報量が増えている」と褒めるが、兵藤さんは「父にいつも怒られている」と苦笑いをする。「新しい技術ばかりでも駄目」と考え、父の経験も尊重する。

 一方で、SNSのフェイスブックを通して、女性を中心に先進的な経営をする畜産農家や獣医師らと交流。牛についての悩みを相談すると返信があり、知識を深めるのに役立っているという。海外の農家とのやり取りで現地の畜産の状況をリアルタイムで知るなど、今まで実感できなかったことが分かるようになってきた。

 兵藤さんは大学を卒業後、他の畜産農家の下で勉強してから家業を継ぐことを計画している。現在18頭いる繁殖牛を30頭まで増やし、機械化も進める考えだ。「畜産と言えば男のイメージだが、女の人にもできる畜産をしたい。女の人は細かい作業に強みがあり、そこを生かせる環境をつくりたい」と話す。
 

農のひととき


 仕事の後、牛が牧草を食べている姿を椅子に座りながら見ていると、うれしくなる。植物の芽が出る時も一緒で、生き物の成長を感じる瞬間が、一番ホッとする。

 大学では、放牧した牛を牛舎に呼び戻す時、名前を呼ぶと付いてくる。その姿を見ると「牛から信頼してもらえている」と実感する。
 

おすすめ記事

若者力の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは