桃、スモモ加害 外来カミキリ防除屋外実証 被害拡大、確立急ぐ 和歌山県

 和歌山県は、桃やスモモの木を加害して枯らす特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」に対する屋外防除の実証試験に乗り出す。県果樹試験場かき・もも研究所(紀の川市)に、屋外飼育施設を新設。これまで室内で実証してきた登録薬剤の効果を果樹の試験圃場(ほじょう)などで確認できるようにする。被害が広がる中、有効な防除方法の確立を急ぐ。

 県の9月補正予算に1370万円を計上。屋外で特定外来生物の飼育や実証試験などを行うには環境省の基準を満たす施設が必要なことから、網で囲んだ専用施設を新たに設ける。研究所で防除に向けた薬剤の持続性や散布回数などを試験。クビアカツヤカミキリの研究を主導する森林総合研究所によると、被害園などを除き、屋外での実証は全国でも珍しい。

 県内では2017年に初めてクビアカツヤカミキリの発生を確認してから、徐々に被害が拡大。早期捕殺や被害樹にネットを巻いて成虫の移動を防ぐなどの対策を行ってきたが、圃場などでの薬剤防除の効果は不明な部分も多かった。かき・もも研究所は「早急に実証を進めて、薬剤防除を普及したい」と話す。

 全国有数の桃産地を抱えるJA紀の里では、管内4カ所でクビアカツヤカミキリの被害が出ており、被害の周知や圃場の巡回に力を入れる。JA営農部は、被害が出ている果樹産地が全国でも限られており、果樹での登録薬剤が少ないことを指摘。「より効果の高い薬剤の実証や登録を進めてもらうことで、現場での対策に活用したい」と期待する。

 クビアカツヤカミキリは桃やスモモ、桜などのバラ科樹木を好み、木肌や樹皮の割れ目に産卵する。ふ化した幼虫は木の内部を食い荒らし、枯死させることもある。被害は全国11都府県で確認されている。
 

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