安倍政権はあす幕を下ろすが、“負の遺産”は清算されていない

 安倍政権はあす幕を下ろすが、“負の遺産”は清算されていない。森友学園問題の真相を追い求める赤木雅子さんの闘いは、幕が上がったばかりである▼雅子さんは、森友を巡って公文書の改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・俊夫さんの妻。改ざんを主導した財務省元局長と国を相手に損害賠償を求める訴訟を起こし、2カ月前に裁判が始まった。「安倍首相、麻生大臣、私は真実が知りたいです(略)最期の夫の顔は『絶望』に満ち溢(あふ)れ、泣いているように見えました」。意見陳述で訴えた▼内部調査で財務省は、国会質問での追及材料を少なくするためと改ざんの目的を結論付けた。ところが雅子さんが書いた本『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(赤木雅子・相澤冬樹著)には、首相の国会答弁が発端だと認めるかのような、同省幹部の発言が記されている。「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」。この答弁である▼首相への忖度(そんたく)から不正が行われたのではないか。疑問が湧く。そうなら忖度行政がはびこる土壌の改良が必要だが、政権を引き継ぐ菅氏は、財務省の調査などで「結論は出ている」との立場▼事実に真摯(しんし)に向き合わなければ過ちを繰り返す。75年と1カ月前の敗戦は、そう教える。

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