シャインマスカット 売り場拡大 競合果実品薄も影響

 ブドウ「シャインマスカット」が売り場を広げ、取引価格は堅調に推移している。東京都中央卸売市場の9月中旬の卸売価格は、1キロ当たり1761円と前年比1%高。同じく旬の梨が天候不順で品薄なこともあり、小売りの引き合いが強い。同市場では、年間で最も出回りが多い9月の入荷量が5年間で倍増。急増する中でも、底堅い需要が相場を支えている。

 「シャインマスカット」は、種なしで皮ごと食べられる手軽さで人気が高い。皮が薄いのに裂果が少なく、着色不良の懸念もなく、日持ちすることから近年、他品種からの改植が進む。日本園芸農協連によると、7月1日現在で、主産22府県の1369ヘクタール(前年比8%増)で栽培されている。

 同市場では、昨年9月の入荷量が1363トンと、4年前の2・1倍に増加。今年9月は上・中旬だけで1187トンに達した。主産地のJA全農長野によると、「7月の長雨で肥大が進み、作柄は良好だ」という。

 生産量の増加に伴い、消費の裾野も広がってきた。スーパーでは、1房1000円を切る特売も活発だ。小売り関係者は「天候不順の影響で品薄の梨などに代わって存在感を発揮し、荷動きが良い」と話す。値頃な売価設定で利幅は大きくないが、ブドウの必須アイテムとして小売りの引き合いが強まっている。

 高級路線は、百貨店の営業休止や輸出の落ち込みで春先は苦戦したが、営業再開や輸出先の立ち直りで、影響は限定的だった。業務筋も上位等級の引き合いが強く、堅調な相場を下支えしている。

 「シャインマスカット」の増加と反比例して、他品種の取引量は減っている。同市場の「巨峰」の入荷量は、昨年9月は1238トンと4年前から32%減少。「ピオーネ」も同様で、昨年9月は612トンと同38%も減った。流通量の減少に伴い、卸売価格は1キロ当たり1000円超と品薄高が続く。

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