群馬の豚熱 接種継続農場で初 防疫措置が本格化

豚熱の感染を受け、県が設けた車両の消毒ポイント(27日、群馬県高崎市で=規制線外の公道から撮影、写真の一部を加工しています)

 群馬県高崎市の養豚場で豚熱が発生したことを受け、県は27日、約5390頭の殺処分や埋却などの防疫措置を本格化させた。県内では昨年10月から今年1月までに、全農場で予防的ワクチン接種を開始。今回の発生は接種を継続して行っている農場で全国初となる。感染を確認したのは未接種の子豚。同日に現地入りした農水省の疫学調査チームが、感染経路の解明などを進めている。

 殺処分は26日午後9時から始めた。県職員や自衛隊員、獣医師ら200人以上を動員し、殺処分した豚は農場主の私有地に埋却する。27日午後3時現在で1120頭(20・8%)まで進んだ。29日までかかる見込み。施設の消毒や埋却までの防疫措置は10月1日に終える予定だ。

 国はワクチン接種で、8割以上の豚に免疫が付与できると想定している。しかし、ワクチンが効かない豚など免疫が不十分になる豚もいるとみて、ワクチンを接種した農場でも全頭を殺処分の対象としている。

 発生した養豚場では、9月上旬から子豚が下痢をするようになり、今月に入ってから約250頭が死亡。25日に養豚場が県に報告し、同県家畜衛生研究所が、ワクチン未接種だった約70日齢の子豚3頭を検査。26日夕方には感染が確定した。

 子豚がワクチン未接種だったのは、適期の50日齢時点で下痢の症状が目立ち接種を遅らせていたため。この農場では北関東を中心に問題となっている家畜盗難の被害は確認されていない。感染経路は現時点で分かっていない。

 

 農水省の畜産統計(2019年2月時点)で、同県は養豚農家数が212戸の全国6位、飼養頭数は約63万頭で全国4位。発生農場から半径10キロ圏内には18の養豚場がある。全てワクチン接種農場のため、半径3キロ圏内の移動制限区域や同10キロの搬出制限区域は設定しない。

 県内での豚熱発生を受け、JA群馬中央会は「危機感をもって防疫対策に取り組んできたが、残念。県や関係機関と連携して感染拡大の阻止に取り組んでいく」とコメントした。28日にはJAグループ群馬家畜伝染病対策委員会を開き、感染拡大阻止や必要な対策を行う考えだ。
 

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは