[新型コロナ] 消費増税1年 コロナ禍と二重苦 消費減、外食も不振 農畜産物に広く影響

 消費税率10%への引き上げから1日で1年がたつ。増税直前の駆け込み需要の反動減が大きかったことに加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言で経済活動が停滞した“二重苦”により、直近2020年4~6月期の家計最終消費支出(個人消費)は20年前の水準まで落ち込んだ。政府は7~9月期の実質国内総生産(GDP)で年率換算10%台のV字回復を見込むが、新型コロナの感染再拡大などで足元の経済は勢いを欠いたままだ。

 内閣府によると、4~6月期の家計最終消費支出(実質季節調整値、改定値)は約259兆円で、年率換算で前期比29・4%減だった。新型コロナ禍で内外の経済活動が停滞し、国内総生産が7年半ぶりに500兆円割れし、年率換算で28・1%減と、戦後最悪の落ち込みだったことを反映した。

 個人消費250兆円台は00年7~9月期以来の低水準。直近で最も多かった19年7~9月期に比べて50兆円近く減らした一因は消費増税だ。政府は食料品などに軽減税率を導入。店内飲食は消費税10%だが、持ち帰りは8%とした他、キャッシュレス決済のポイント還元などで、消費の反動減抑制を図ったが、19年10~12月期の実質GDPは7・0%減、個人消費は11・5%減(共に年率換算)だった。これは消費税率8%に引き上げ直後の14年4~6月期の実質GDP7・5%減、個人消費18・1%減に迫る落ち込み幅だ。

 内閣府は7月末、12年12月に始まった景気回復局面は18年10月に山を迎えて終わり、景気後退局面に入ったと認定した。ただでさえ弱含みだった消費は消費増税後の新型コロナ禍で水底に押し込まれた。

 最も影響を受けた業態の一つが外食産業だ。日本フードサービス協会によると、消費増税後の19年10月の外食売上高は前年同月比2・4%減と落ち込んだ後、20年2月までプラスが続いた。しかし、新型コロナの感染が拡大した3月からは二桁減のマイナスが続く。外食の不振を受け、米や日本酒、牛肉など幅広い食品の需要にも影響が広がった。

 第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「軽減税率が家庭内で調理する内食シフトの環境を整えたところに、新型コロナ禍が加わり、外食需要そのものを減らした」と指摘する。

 政府は「Go To キャンペーン」で旅行や外食需要を喚起するが、新型コロナが収束しない状況では、回復の勢いは限定的だ。

 みずほ総合研究所は、外食や宿泊、旅行など「対人接触型サービス消費」の業種で倒産が増加し、雇用者所得も新型コロナ流行前と比べ、6兆~7兆円減少するとの試算をまとめた。20、21年度で各5兆円程度の政府支援が必要としている。
 

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