[滋賀・JAこうか移動編集局] 業務米CE集荷 三方良し JA・稼働率向上 実需・産地で均質 農家・利用料安く

JAこうかがCEへの集荷を強化する米「きぬむすめ」。収穫後、もみの形でCEに持ち込まれ、乾燥調製される(滋賀県甲賀市で)

 滋賀県のJAこうかは、稼働率低下が全国的な課題となっているカントリーエレベーター(CE)への米の集荷を強化している。業務用の一部品種を生産者に必ずCEに出荷してもらうことで稼働率を改善。品質のばらつきが少ない米を求める実需者の要望にも応え、出荷奨励金で生産者に利点を出す。生産者、JA、実需者の“三方良し”でCEの運営改善を進める。(北坂公紀)

 CEの稼働率低下は、長く全国のJAで経営課題となっている。米の生産量が減っている上、乾燥設備を持つ大規模農家に農地が集約。CEに米が集まりづらく、多くが赤字に陥っているためだ。JAの経営基盤強化でも、CEを含めた営農経済事業の収支改善が重要とされる。

 JAこうかでは、取り組み前の2015年産のCE集荷量が3000トン(玄米ベース)となり、10年間で3割(1100トン)減少していた。CEの稼働率も12ポイント減の32%に落ち込んだ。JA営農経済部の岨中昌昭次長は「CEは改修費や人件費もかさみ、JA経営への負担は大きい」と指摘する。

 そこでJAは16年産から、中・外食向けに産地化を進める米「きぬむすめ」について、生産者に必ずCEに出荷するよう求めた。生産者から米を安定的に集荷できる仕組みを作り、稼働率を改善するためだ。

 取り組みは、実需者の要望にも合致。生産者が個別に乾燥調製すると、同じ産地でも生産者ごとに米の品質にばらつきが出る。一方、地域の米を一元集荷し一括で乾燥調製するCE米は品質が均一で、実需者から選ばれる産地づくりにもつながっている。

 出荷奨励金などでCEの利用料を助成することで、生産者にもメリットを出す。利用料は通常だと60キロ当たり平均2300円だが、このうち最大1900円を支援。生産者の負担を大幅に軽減する。奨励金の単価は、稼働率改善と実需者との安定取引の効果を踏まえて設定している。

 20年産では、600トンの集荷を見込む。取り組み初年の16年産から2・6倍に増加。JAのCE集荷量全体の2割を占める水準に達した。稼働率は15年産を1ポイント上回る33%を見込む。

 岨中次長は「“必ずCEに集まる米”を確保できるため、稼働率低下に一定の歯止めがかかる。他品種にも広げたい」と展望する。

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