トビイロウンカ猛威 警報10年で最多 西日本の広範 稲刈り早めに

 農水省は7日、2020年産水稲で害虫のトビイロウンカの警報を、11府県が出したことを明らかにした。昨年の8県を上回り、過去10年で最多。19年は九州、中国、四国を中心に被害が多発したが、20年は愛知県で22年ぶり、京都府で33年ぶりに警報を発令するなど、東海、近畿にも広がった。稲刈りが続く地域には、早めの収穫を呼び掛けている。

 警報・注意報を発令したのは合わせて24府県。19年の20県より4府県多く、105億円の被害を出した13年の14県を10府県上回った。

 トビイロウンカは中国などから飛来し、茎から水分や養分を吸って稲を弱らせる。出穂期から登熟期にかけて、稲が数十株から数百株まとまって倒伏する「坪枯れ」を生じさせる。

 1998年以来の警報発令となった愛知県は10月上旬現在、県内ほぼ全域で坪枯れを確認した。県農業総合試験場は「これまで県内は九州などと比べトビイロウンカは少なく、全域で坪枯れが生じるのは珍しい」と話す。

 京都府は87年以来の警報発令となった。府病害虫防除所は「水田によっては稲の3分の1から半分が枯れてしまっている。作柄への影響が心配される」と話す。

 県南部などまだ稲刈りが終わっていない地域があり、被害が広がらないよう早めの稲刈りを呼び掛けている。

 被害が広がった背景について農研機構・九州沖縄農業研究センターは、中国での発生量が多く、梅雨に日本に向かって強い風が吹いたため、多く飛来したと考える。「今年のように梅雨が長いと遅くまで飛来する可能性が高まる」と同センターは指摘する。

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