韓国でアフリカ豚熱 1年ぶり15例目 野生イノシシからか?

 韓国の農林畜産食品部は9日、江原道華川郡の養豚場でアフリカ豚熱が発生したと発表した。韓国内では昨年10月の14例目から1年ぶり。発生原因は、野生イノシシが関係している可能性が高そうだ。

 同部によると8日、担当者が江原道鐡原郡のと畜場を予察した際、同道の華川郡から出荷された母豚8頭のうち、3頭が死亡したことを確認。該当母豚からの試料を精密検査し9日午前5時にアフリカ豚熱と断定した。

 発生農場では、940頭の豚を飼育。近隣10キロ内に2農場・1525頭を飼育しており同部は全頭の殺処分を命じた。また、9日5時から11日午前5時まで京畿道、江原道の養豚農場、と畜場、飼料工場、出入り車両、関連畜産施設を全て一時稼働・移動を中止する命令を出した。

 同農場は守衛所を設置し、車両の出入り検査やふん尿処理などを徹底した。発生原因は分かっていないが、野生イノシシが関わっている可能性が濃厚だ。同部によると、発生農場から250メートル離れた場所で、同疫に感染した野生イノシシの死体を発見した。

 韓国内では同疫に感染した野生イノシシの発見が後を絶たない。日本の環境省に当たる環境部の調査(9月26日~10月7日)でも、野生イノシシ13頭が確定された。昨年10月からの調査では、これまで、758頭の感染が確認されている。そのうち、今回発生した農場がある華川郡が38%と最も多い。

 同国のアフリカ豚熱は昨年9月、京畿道坡州市の養豚場で初めて確認、同年10月まで4市・郡に広がった。発生件数は今回で15例目。
 

農水省 注意呼び掛け


 韓国でのアフリカ豚熱発生を受け、日本の農水省は国内の養豚農家に改めて注意を呼び掛けている。飼養衛生管理の徹底に加え、異常豚の家畜保健衛生所への早期通報が重要と強調。9日には地方農政局と都道府県に対し、韓国の情勢について情報を提供した。

 アフリカ豚熱は有効なワクチンがなく、発生した場合は、未感染の家畜も含めて一定範囲内の家畜を殺処分する「予防的殺処分」の対象となる。このため、飼養衛生管理の徹底が最大の防御策だ。

 同省は、農場へ出入りする人や車両の消毒、野生動物侵入防護柵や防鳥ネットの設置などが特に重要と指摘する。食品残さから製造する「エコフィード」は、攪拌(かくはん)しながら、90度以上で60分以上の加熱を求める。

 今回の韓国での発生場所は、北朝鮮との国境にある江原道であることや累計発生数が豚で15件、野生イノシシでは758件となることなども都道府県へ情報提供。同様の情報は同省ホームページにも掲載する。

 同省は9月に群馬県高崎市の養豚場で豚熱が発生したことを受け、7日にも、都道府県に飼養衛生管理の徹底と早期通報を求める通知を出している。

 同省は「油断できるような状況ではない。引き続き緊張感を持って対応してほしい」(動物衛生課)と話す。

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