韓国でアフリカ豚熱 1年ぶり15例目 野生イノシシからか?
2020年10月10日

韓国の農林畜産食品部は9日、江原道華川郡の養豚場でアフリカ豚熱が発生したと発表した。韓国内では昨年10月の14例目から1年ぶり。発生原因は、野生イノシシが関係している可能性が高そうだ。
同部によると8日、担当者が江原道鐡原郡のと畜場を予察した際、同道の華川郡から出荷された母豚8頭のうち、3頭が死亡したことを確認。該当母豚からの試料を精密検査し9日午前5時にアフリカ豚熱と断定した。
発生農場では、940頭の豚を飼育。近隣10キロ内に2農場・1525頭を飼育しており同部は全頭の殺処分を命じた。また、9日5時から11日午前5時まで京畿道、江原道の養豚農場、と畜場、飼料工場、出入り車両、関連畜産施設を全て一時稼働・移動を中止する命令を出した。
同農場は守衛所を設置し、車両の出入り検査やふん尿処理などを徹底した。発生原因は分かっていないが、野生イノシシが関わっている可能性が濃厚だ。同部によると、発生農場から250メートル離れた場所で、同疫に感染した野生イノシシの死体を発見した。
韓国内では同疫に感染した野生イノシシの発見が後を絶たない。日本の環境省に当たる環境部の調査(9月26日~10月7日)でも、野生イノシシ13頭が確定された。昨年10月からの調査では、これまで、758頭の感染が確認されている。そのうち、今回発生した農場がある華川郡が38%と最も多い。
同国のアフリカ豚熱は昨年9月、京畿道坡州市の養豚場で初めて確認、同年10月まで4市・郡に広がった。発生件数は今回で15例目。
韓国でのアフリカ豚熱発生を受け、日本の農水省は国内の養豚農家に改めて注意を呼び掛けている。飼養衛生管理の徹底に加え、異常豚の家畜保健衛生所への早期通報が重要と強調。9日には地方農政局と都道府県に対し、韓国の情勢について情報を提供した。
アフリカ豚熱は有効なワクチンがなく、発生した場合は、未感染の家畜も含めて一定範囲内の家畜を殺処分する「予防的殺処分」の対象となる。このため、飼養衛生管理の徹底が最大の防御策だ。
同省は、農場へ出入りする人や車両の消毒、野生動物侵入防護柵や防鳥ネットの設置などが特に重要と指摘する。食品残さから製造する「エコフィード」は、攪拌(かくはん)しながら、90度以上で60分以上の加熱を求める。
今回の韓国での発生場所は、北朝鮮との国境にある江原道であることや累計発生数が豚で15件、野生イノシシでは758件となることなども都道府県へ情報提供。同様の情報は同省ホームページにも掲載する。
同省は9月に群馬県高崎市の養豚場で豚熱が発生したことを受け、7日にも、都道府県に飼養衛生管理の徹底と早期通報を求める通知を出している。
同省は「油断できるような状況ではない。引き続き緊張感を持って対応してほしい」(動物衛生課)と話す。
同部によると8日、担当者が江原道鐡原郡のと畜場を予察した際、同道の華川郡から出荷された母豚8頭のうち、3頭が死亡したことを確認。該当母豚からの試料を精密検査し9日午前5時にアフリカ豚熱と断定した。
発生農場では、940頭の豚を飼育。近隣10キロ内に2農場・1525頭を飼育しており同部は全頭の殺処分を命じた。また、9日5時から11日午前5時まで京畿道、江原道の養豚農場、と畜場、飼料工場、出入り車両、関連畜産施設を全て一時稼働・移動を中止する命令を出した。
同農場は守衛所を設置し、車両の出入り検査やふん尿処理などを徹底した。発生原因は分かっていないが、野生イノシシが関わっている可能性が濃厚だ。同部によると、発生農場から250メートル離れた場所で、同疫に感染した野生イノシシの死体を発見した。
韓国内では同疫に感染した野生イノシシの発見が後を絶たない。日本の環境省に当たる環境部の調査(9月26日~10月7日)でも、野生イノシシ13頭が確定された。昨年10月からの調査では、これまで、758頭の感染が確認されている。そのうち、今回発生した農場がある華川郡が38%と最も多い。
同国のアフリカ豚熱は昨年9月、京畿道坡州市の養豚場で初めて確認、同年10月まで4市・郡に広がった。発生件数は今回で15例目。
農水省 注意呼び掛け
韓国でのアフリカ豚熱発生を受け、日本の農水省は国内の養豚農家に改めて注意を呼び掛けている。飼養衛生管理の徹底に加え、異常豚の家畜保健衛生所への早期通報が重要と強調。9日には地方農政局と都道府県に対し、韓国の情勢について情報を提供した。
アフリカ豚熱は有効なワクチンがなく、発生した場合は、未感染の家畜も含めて一定範囲内の家畜を殺処分する「予防的殺処分」の対象となる。このため、飼養衛生管理の徹底が最大の防御策だ。
同省は、農場へ出入りする人や車両の消毒、野生動物侵入防護柵や防鳥ネットの設置などが特に重要と指摘する。食品残さから製造する「エコフィード」は、攪拌(かくはん)しながら、90度以上で60分以上の加熱を求める。
今回の韓国での発生場所は、北朝鮮との国境にある江原道であることや累計発生数が豚で15件、野生イノシシでは758件となることなども都道府県へ情報提供。同様の情報は同省ホームページにも掲載する。
同省は9月に群馬県高崎市の養豚場で豚熱が発生したことを受け、7日にも、都道府県に飼養衛生管理の徹底と早期通報を求める通知を出している。
同省は「油断できるような状況ではない。引き続き緊張感を持って対応してほしい」(動物衛生課)と話す。
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2021年03月04日

歌い奏で 農家にエール 活躍する北海道のミュージシャン
新型コロナウイルス禍で農産物の販売が苦境に立つ中、歌の力で農作物や農山村、JAを応援しようという機運が、北海道で高まっている。「北海道米」を題材に歌う音楽家、オホーツク発の音楽を奏でる“半農半ミュージシャン”、観光応援大使として市町村の楽曲を作るグループ――“道産”の音楽が地域を盛り上げている。(坂本俊二、関山大樹、望月悠希)
米の魅力ボサノバで 木村ゆうさん 札幌市
ボサノバ調の「お米のボッサ」で北海道米をPRするのは、札幌市の木村ゆうさん(30)。5歳の頃からピアノを習い、市内の大学で音楽を学んだ後、会社員との兼業で作詞作曲や演奏活動をしている。
2020年8月、食育イベントに参加した時に米の消費が落ちている現状を知った。ご飯が大好きで演奏前に欠かさず食べるという木村さんは、もっとお米を食べてもらおうと、歌を作ることにした。
歌では「指を立ててやさしく 何度も何度も何回も研いできれいにするの」と米のとぎ方を描写。「おいしいご飯をあの人と食べたいな 炊き立てを準備して帰りを待つの」とまとめた。
こだわったのが、品種名を盛り込むこと。「ななつぼし」は北斗七星、「おぼろづき」「ほしのゆめ」はきれいな風景をイメージ。「ゆめぴりか」の「ぴりか」はアイヌ語で「美しい」という意味だった。名前の由来について調べると、ますます愛着が湧いた。
単純に並べるのではなく、意味を持たせて「北に光るななつぼし ほしのゆめを見る 夜を照らすおぼろづき きらら397」と流れるように仕上げた。
各種音楽配信サイトで発表して以来、歌は好評で、演奏会でもリクエストがあるという。木村さんは「歌を通して多くの品種を知って、北海道米をたくさん食べてほしい」と願っている。
麦育てつつライブ 遠藤正人さん 北見市
「音農家」の遠藤さん(遠藤さん提供)
北見市の遠藤正人さん(40)は小麦などを35ヘクタールで栽培する傍ら、ギタリストとして精力的に活動する。自ら「音農家(おんのうか)」と名乗り、東京でもライブをして、オホーツク地方や農業の魅力を発信している。
2008年にメジャーデビューしてCD2枚、DVD4枚を発売。東京で10年間、ライブ活動やバックバンドなどをした後、32歳で畑作農家の後継者としてUターンした。今は高齢者施設や教育施設での演奏など、農作業の合間に音楽活動を展開。スタジオミュージシャンとして録音にも携わる。遠藤さんは「“音農家”として、農業の魅力や格好良さを広げていきたい」と語る。
JAとMVを制作 ハンバーガーボーイズ 札幌市
北海道観光応援大使を務めるハンバーガーボーイズ
2012年に結成された札幌市の3人組ユニット「ハンバーガーボーイズ」は、道内の各市町村と連携した楽曲を作り、地域や農家、JAを応援する。
北海道観光応援大使も務めており昨年はJAそらち南のイメージソング「NOU NOU NOUKA(ノウノウノウカ)」を制作した。ミュージックビデオ(MV)にはJAの役員や農家らが出演。新しいJAの魅力を幅広い層に発信することに大きく貢献している。
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2021年03月06日

[東日本大震災 あなたの分も生きた10年](1) 面影胸に今日も耕す 荒れ地芽吹いたヒマワリ
少し冷たい風が潮の香りを運ぶ夕暮れ、あの人を思い出す──。
宮城県東松島市の阿部ちよ子さん(76)はハウス4棟と露地20アールで、トマトなど年間20種類の野菜を1人で作っている。残された畑を守るのが私の使命。その思いで10年を過ごしてきた。
午後6時から1時間。震災前、ちよ子さんが一日のうちで最も好きな時間だった。故・勲さん=享年72=とのウオーキングの時間だ。「今年はどんな野菜を作ろうかね」「そろそろ田植えの準備しねどな」。勲さんが話すのは農業のことばかり。その横顔が好きだった。雨や雪が降っても外に出た。ちよ子さんが雪に足を取られて派手に転び、2人でげらげら笑ったこともある。夫が差し伸べる大きく日焼けした手。「幸せな時間だった」(ちよ子さん)
薬届けねど
10年前のあの日、勲さんの薬を取りに病院に行った。……
2021年03月08日

日本型アニマルウェルフェア開発へ 集まれ“応援団” 鶏肉販売始める 信州大農学部
信州大学農学部(長野県南箕輪村)は3日、アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼育管理)の飼育施設で育てた鶏肉の販売を始めた。研究の一環で飼育した肉用鶏を販売することで、消費者へのアニマルウェルフェアの認知度向上につなげる考えだ。
同大によると、アニマルウェルフェアの畜産物を大学の農学部が販売するのは全国初。販売するのはモモ肉、ムネ肉、手羽元の3部位で、いずれも冷凍している。
同学部では2020年7月に、アニマルウェルフェアに対応した研究用鶏舎を完成させた。鶏は1平方メートル当たりの飼育数を日本の一般的な飼育数の15、16羽より少ない11羽で飼育し、飼育密度を下げた。この他にも、鶏舎内で終日照明を点灯させずに、1日2時間連続で照明を消すなどしてストレスを軽減させ、快適な環境をつくった。
今回販売する鶏肉は、昨年12月下旬にひなから育て、2月上旬に山梨県笛吹市の加工業者に出荷した310羽分。
研究に取り組む竹田謙一准教授は「販売を通じて、消費者がアニマルウェルフェアの考え方を知り、応援団になってもらいたい」と説明する。
キャンパス内の直売所で発売。モモ肉1袋(2キロ)2000円、ムネ肉1袋(同)1500円、手羽元1袋(同)1300円。
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2021年03月04日
米価14年産並みも 産地全体で危機感共有を 全中が水田農業対策委
JA全中は3日、水田農業対策委員会を開き、2021年産主食用米の需給について議論した。20年産の相対取引価格が13年産と同様の動きをしていることから、続く21年産では米価が大幅に下落した14年産並みの低水準になる恐れがあると確認。概算金にも大きな影響が出かねないとの危機感を共有した。
全中やJA全農が情勢を報告した。……
2021年03月04日
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歌って踊って日本酒飲んで 農水省チャンネル新動画を公開
新型コロナウイルスの影響で落ち込む日本酒の消費を喚起しようと、農水省がユーチューブ公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、新たな動画を公開した。同省の若手職員や酒造好適米の生産者らが次々に登場し、日本酒で乾杯を呼び掛けるダンスを全力で踊る内容だ。
日本酒造組合中央会が制作した動画「日本酒ダンス」を基に、ダンス動画で人気のユーチューバーの指導も受けながら制作し、5日に公開。その日のうちに数千回の視聴があった。
動画には、若手を中心とする同省職員40人超が出演。ラップ音楽と共に、同省の大臣室前や地方農政局の事務所など、次々に舞台を変えて踊る様子が流れる。宮城県内の酒米生産者3人も出演し、ダンスを披露している。
日本酒はコロナ禍を受け2020年は前年比で国内出荷量が11%減、輸出量は13%減。こうした苦境を背景に、ラップの歌詞では「酒米、来年は作れないかもしれない」と危機感を強調。会食が困難な中で「リモート飲み会」を呼び掛けるなどで、消費拡大を訴える。
ばずまふの運営メンバーで動画制作を提案した同省鳥獣対策・農村環境課の吉村真里菜さんは「皆が酒米や日本酒の産地が元気になることを祈りながら踊った。特に、日本酒になじみの薄い若い人たちに魅力を届けたい」という。
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2021年03月08日

リーフ茶「飲む回数増えた」 コロナ下で若者の行動に変化
若い世代(18~29歳)の26%が、新型コロナウイルス下でリーフ茶(茶葉からいれた緑茶)の飲用頻度が「増えた」と回答したことが、農水省の調査で分かった。家で過ごす時間が長くなったことや健康への関心が高まったことが背景にある。ペットボトル緑茶飲料の浸透で茶葉離れが課題だった消費に、変化が見られた。
農水省が「緑茶の飲用に関する意識・意向調査」を、昨年10月中旬から11月上旬にかけて実施し、18歳以上の男女1000人から回答を得た。
リーフ茶の飲用頻度が「増えた」と回答した人は全世代合計では14%(143人)だったが、18~29歳の世代では「とても増えた」「少し増えた」と回答した人が26%(36人)に上った。
増えた理由(複数回答)として、18~29歳世代では「自宅で食事する時間が増えたから」(67%)が最多。「自宅でくつろぐ時間が増えたから」(47%)、「健康機能性に魅力を感じたから」(44%)、「家族と過ごす時間が増えたから」(22%)と続いた。
リーフ茶飲用頻度が「増えた」と回答した全世代で、茶葉購入先(複数回答)として「増えた」のは「スーパー」(75%)、「インターネット販売」(30%)、「茶専門店」(29%)、「ドラッグストア」(21%)。
ネット購入が増えたと回答した人の割合は60代がトップ(42%)、次いで70代(36%)と高齢層の電子商取引(EC)利用の急伸も見てとれる。18~29歳の世代は33%でそれに続いた。
茶葉は緑茶飲料や他の飲料にシェアを奪われ、需要が減少している。コロナ下での業務需要の落ち込みも拍車を掛け相場が低迷し、消費喚起が課題となっている。
農水省は「リーフ茶飲用の機会増加を捉えて、茶業界には若者がさらにお茶を飲むような取り組みを期待したい」(茶業復興推進班)と話す。
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2021年03月08日

桃 初の10万トン割れ せん孔細菌病が多発 20年収穫量
2020年産の桃の収穫量が9万8900トンとなり、前年産より9000トン(8%)減ったことが農水省の調査で分かった。4年連続の減少で、同省の統計開始以降初めて10万トンを割り、過去最低となった。主産地の福島県や長野県などで、葉や果実に穴が開く「せん孔細菌病」が多発したことが要因。同省は20年度第3次補正予算に同病の防除対策を盛り込み、生産継続を支援する。
都道府県別の収穫量は、全国1位の山梨県がほぼ前年並みの3万400トン。同2位の福島県は2万2800トンで同16%減、同3位の長野県は1万300トンで14%減った。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は全国で9290ヘクタールで、3%減った。一方、全国の10アール当たり収量は6%減の1060キロだが、福島県、長野県では、ともに12%の減少だった。
両県の収穫量の減少について、同省はせん孔細菌病の多発を要因に挙げる。対策として同省は、20年度第3次補正予算で、同病などを対象とした「重要病害虫等早期防除対策事業」に4億6300万円を計上した。福島や長野など、同病の被害が拡大している地域のJAや複数の農家でつくるグループが対象。発生状況の調査や枝葉の病斑の除去などの経費として、最大半額まで補助する。
希望者は、防除の時期や取組内容などを盛り込んだ事業計画書を地方農政局に提出する。予算の限度額に達していない場合、年度をまたいでの申請でも認められるが、同省は「まん延を早期に防止するためにも、早めに申請してほしい」(植物防疫課)と説明する。
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2021年03月07日
規制会議議論始まる 准組利用「組合員の判断」 農水省が方向性表明
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、改正農協法施行5年後の見直しに向けた議論を始めた。農水省やJA全中などから意見を聴取。同省は今後の検討の方向性として、JA准組合員の事業利用については「組合員の判断に基づく」との考えを示した。WG側は、農家所得増大に向けたJAの自己改革の成果を詳細に示すよう求め、数値目標による進捗(しんちょく)管理の必要性も指摘した。
WG 所得増「数値目標を」
会合は非公開。同省は各分野の改革の実施状況を総括し、方向性を示した。……
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2021年03月05日
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2021年03月05日

[米のミライ](6)加工用米 産地と地元実需 協力 活用の裾野広げる 新潟、熊本県
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