GM小麦を初承認 アルゼンチン

 アルゼンチンは世界で初めて、遺伝子組み換え(GM)小麦の栽培と消費の承認国になった。アルゼンチン農牧省の科学技術研究委員会と開発した企業は8日、新しい小麦は干ばつ時に2割の増収が期待できると発表した。しかし、最大の輸出先であるブラジルの政府が輸入を承認するまでは、種子を普及しない方針だという。

 開発したビオセレス社の報道資料によると、小麦に組み込んだ遺伝子はヒマワリ由来のHB4。すでにHB4を組み込んだ大豆は政府の認可を得ているという。アルゼンチンのバイテク企業と仏企業が開発し、10年前から圃場(ほじょう)でHB4小麦の栽培試験を実施してきた。同社によると、干ばつ時の平均収量は既存の品種に比べ20%高かった。同社はすでにブラジルの他、米国、ウルグアイ政府などにHB4小麦の認可の手続きを始めている。オーストラリアやロシア、アジアやアフリカでも認可に向けた作業を始める。

 GM小麦の研究開発は大手バイテク企業が取り組んだ歴史がある。飼料用が大半のトウモロコシや大豆と違って直接人間が食べる小麦の場合、抵抗があってこれまで商品化に至らなかった。

 米農務省が9日発表した世界農産物需給予測によると、アルゼンチンの20年産の小麦生産量は1900万トンで、輸出は1300万トンが見込まれる。従来、ブラジル市場向けが輸出の8割以上を占めていたが、小麦生産の拡大で、近年は北アフリカや南アジアへの輸出が増えている。

 農水省は「日本はアルゼンチンから小麦を輸入したことがなく、現時点で輸入の見通しもない。今後、日本との取引のある他国を通じたGM小麦の混入がないよう注視していきたい」(貿易業務課)と話す。
 

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