CO2削減農法 認証制度で推進 まず果樹から剪定枝を炭化 山梨

専用の器具で果樹の剪定枝を炭にする作業(山梨県甲斐市で)

 地球温暖化防止を目指し、山梨県は温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の発生を抑える農法を推進し、CO2削減に努力した農産物を認証する制度を作る。まず特産の果樹で、剪定(せんてい)枝を炭にして土壌に戻す技術などに取り組む。12月にも実証試験を開始、2020年度内に認証制度の内容を固め、21年7月には認証農産物を売り出したい考え。全国で初の試みだ。

 4パーミルイニシアチブ農産物ブランド化推進事業として取り組む。同イニシアチブは、世界の土壌の炭素量を年に0・4%(約40億トン)ずつ増やすことができれば、人為的なCO2排出量(約40億トン)を帳消しにできるという考え。15年の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)でフランスが提唱した。活動には現在、500近い国や国際機関が参加し、山梨県は4月に日本の都道府県で初めて加わった。

 土壌の炭素量を増やす技術は、炭素を含む有機物を土に残す考え方で、堆肥投入の他、草生栽培や緑肥のすき込み、不耕起栽培などが効果的とされる。剪定枝を炭にする炭化はまさに炭素を土中に残す技術。こうした技術は温暖化防止に役立つ上、土が肥沃(ひよく)になる。

 県は、ブドウや桃など果樹剪定枝の炭化や園地での草生栽培、有機質投入に取り組む。12月から果樹農家10戸ほどで実証試験を開始。無煙炭化器を使って高温で剪定枝の炭を作る。炭化の方法、炭素の貯留量、土壌改良効果、果樹の生育を把握しデータを蓄積する。

 その上で認証制度を運用し、農家ごとのCO2削減量を評価し、CO2削減に貢献する農産物として認証する。県産果実に「環境に優しい果物」という付加価値を付けてブランド化し、消費者に浸透させたい考えだ。

 果樹王国の山梨県でも、猛暑や強い日射による着色不良などが懸念される。県農政部の坂内啓二部長は「温暖化防止へ行動を起こす時と考えている。CO2の排出側と見られてきた農業だが、炭素貯留をうまく進めれば温暖化防止に貢献できる」と強調する。県は実証試験を通じてデータを集め、取り組みを県内農家へ普及していく方針だ。
 

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