次期作支援の要件変更 減収確認を追加 農水省

 農水省が、新型コロナウイルス対策として園芸農家らの次期作を支援する「高収益作物次期作支援交付金」の要件を変更したことが分かった。品目ごとの減収額や影響のあった面積などの申告を追加的に求め、交付額や対象面積をその範囲内に絞り込む。交付額が当初の申請時より減る人も多いとみられる。同省は新型コロナの影響がなかった農家への交付を防ぐためと説明するが、農家の申請後の要件変更で、困惑や混乱が広がり始めている。
 

現場困惑、混乱も


 同交付金は、2020年度第1次補正予算で242億円を措置した。野菜や花き、果樹、茶といった品目の農家が、収量向上につながる種苗や肥料、農薬の購入など、次期作に前向きに取り組む場合、10アール当たり5万円を定額交付。施設栽培の支援額は、花きや大葉、ワサビで同80万円、マンゴー、オウトウ、ブドウは同25万円になる。

 農水省は当初、交付金の対象者を「今年2~4月に野菜、花き、果樹、茶の出荷実績があるか、廃棄して出荷できなかった農家」とし、減収額の確認などはせずに募集してきた。だが、10月12日に運用の見直しを通知。既に応募した農家にも、前年比での売り上げ減を確認した上で交付するとし、品目ごとの減収額や作付面積などを追加で申告するよう求めた。

 その上で交付対象面積は、2~4月に減収した品目ごとの作付面積の範囲に制限する。交付額は①この対象面積に10アール当たりの交付単価をかけた額②前年より売り上げが減った品目の減収額の合計③次期作の面積と交付単価をかけた額(当初の申請)──のうち、最も低い額とするよう変更。減収額が事実上の上限となり、交付額が当初の申請より少なくなる可能性がある。変更は、同交付金を申請した全ての農家が対象となる。

 農水省は要件変更の理由について、減収が確認できないなど新型コロナの影響を受けたとは言えないような申請があったことを挙げる。当初の簡素な要件には農家が申請しやすくする狙いがあったが、「影響がないのに交付金を支払えば批判を受けかねない」(幹部)。

 だが、これまで2回の公募で予算額を大きく上回る申請があったとみられる。同省は13日以降、同交付金の推進をしてきた都道府県の担当者らに説明会を行っているが、「交付金を当てにして、既に投資をした人がいる」「農家に説明できない」といった声が上がっている。
 

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