米適正生産量679万トン 減産幅過去最大 需給安定へ正念場 21年産主食用

 農水省は16日、2021年産の主食用米の需要に見合った適正生産量を679万トンに設定した。20年産米の需給緩和を受け、20年産の709万~717万トンより30万トン以上少ない。前年比の減少幅は過去最大で、700万トンを割るのは初めて。需給均衡には、20年産の実際の生産量から50万トン程度の減産が必要で、面積に換算すると10万ヘクタール規模の転作が求められる。

 同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会に21年産の主食用米の適正生産量や需要見通しなどを示し、了承された。例年11月下旬に開いていたが、今年は需給緩和の懸念を受け前倒しで開催。早めに産地の準備を促す必要があると判断した。

 679万トンの適正生産量は、需給の目安となる22年6月末の民間在庫量を、20年6月末の水準以下となる196万~201万トンにする前提で設定。ただ、適正水準は180万トンとされる。21年7月からの1年間の需要量は、人口減少などの長期的傾向を踏まえ、前年より5万~11万トン少ない704万トンと見通した。

 一方、20年産の予想収穫量は9月15日現在で735万トン。作況指数が100となる場合も、生産量は729万トンに上る。21年産の生産量を適正生産量に収めるには、20年産から50万トン以上の減産が必要となる計算だ。

 農水省は、21年産について「(主食用米の作付面積を)およそ10万ヘクタール減らさなければいけない。大変、厳しい数字」(農産企画課)だと強調。「いま一度、水田フル活用に真剣に取り組んでいただきたい」と呼び掛けた。

 20年7月から1年間の需要量の見通しは、709万~715万トンに修正した。昨年11月には717万トンと見越し、今年7月時点では715万トンに修正したが、新型コロナウイルスの影響などで5・2万トンの需要減少が推計されるとし、事実上、さらに下方修正した。21年6月末の民間在庫量は、生産調整の見直し後、最も多い221万~227万トンになると見込んだ。

 

 21年産の適正生産量の参考値として、過去に前年比で最も作付面積を減らした15年産と同水準の削減を実現した場合、生産量は692万トンになることも示した。だが、この場合、22年6月末の民間在庫量は209万~215万トンに達する。

 野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で、米の需給緩和を巡り、「追加の対策については、食糧部会や今後の与党での議論も踏まえ、必要に応じて検討していく」と述べた。米穀周年供給・需要拡大支援事業や収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)などの既存事業を挙げ、「まずは必要に応じてこれらを活用いただきたい」とも強調した。

 国が生産数量目標の配分を廃止した18年産以後の生産調整の手法については「(生産者の)自らの経営判断による需要に応じた生産・販売を推進していくことが重要」だとして、「見直しは考えていない」と述べた。
 

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