新たな土地改良計画素案 生産基盤強固に 農水省

 農水省は、土地改良事業の今後5年の指針となる新たな土地改良長期計画の素案をまとめた。生産基盤の強化を明記し、新たにスマート農業の導入による生産コスト削減を政策目標に盛り込んだ。農村振興では、中山間地域でも所得を確保できる基盤整備を推進する方針を打ち出した。具体的な内容や成果目標(KPI)などの検討を大学教授ら有識者による会合で進め、政府は来年3月に閣議決定する予定だ。
 
 同省は素案を、食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会(部会長=平松和昭・九州大学大学院教授)に提示。①生産基盤の強化による農業の成長産業化②多様な人が住み続けられる農村振興③農業・農村の強靭化(きょうじんか)──を柱に据えた。

 具体的には、生産基盤の強化に向け、自動走行農機や情報通信技術(ICT)による水管理など、スマート農業が活用できる基盤整備を推進。農地の大区画化なども進め、新たな担い手確保や法人の設立・育成につなげる。基盤整備を効果的に活用し、荒廃農地の発生防止や解消も目指している。

 この他、米から野菜や果樹など高収益作物に転換し、産地化を促すため、水田の汎用(はんよう)化や畑地化も進める。畑地でかんがい施設の整備を推進して、高品質な野菜や果樹の生産を増やし、輸出拡大にもつなげたい考えだ。

 農村振興では、所得と雇用機会の確保、農村の定住条件の整備を重視する。特に中山間地域は、農地の大区画化や大型機械の導入が難しいことを踏まえ、地域の検討を基に、水路や農地の基盤整備と生産・販売などの施設整備を一体的に推進。地域の特色を生かした営農活動を促し、所得確保を実現する。

 農村の定住条件の整備や田園回帰の受け皿づくりを目指し、農道や集落排水施設の老朽化対策を進めるなどして、生活インフラを確保する。組合員の高齢化で体制が弱体化している土地改良区には、地域の幅広い人材の参加を促す。

 農業・農村の強靭化へ、災害に対応した排水施設整備やため池対策などを盛り込んだ。

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