片仮名8字と長く恐縮だが〈セレンディピティ〉をご存じだろうか

 片仮名8字と長く恐縮だが〈セレンディピティ〉をご存じだろうか▼探し物をして新たな発見をする時などを指す。ノーベル賞受賞者もよく口にする。先日96歳で亡くなった英文学者の外山滋比古さんから学ぶ。あるテーマで小欄を書き始め、調べ物をするうちに違う〈ひらめき〉が出て全く別の筋立てとなることが多い。何か心の鍵が、かちりと音を立て開いたような得した気分になる▼語源はセイロン島(現スリランカ)の童話からと聞けば親近感も湧く。ただ、この〈ひらめき〉がピカリと光るのは、やはり日頃の読書の効能らしい。話題の本『還暦からの底力』(講談社現代新書)で、出口治明さんも読書を通じ歴史を学び人生が豊かになるという。それが「定年までの人」と「定年からの人」との分かれ目になると説く▼外山語録には〈三上〉〈三多〉〈三中〉。キーワードは三つ。何度か小欄でも触れたが〈三多〉の一つに看多、つまり多くの本を読む。確かに無我夢中、散歩中、入浴中を意味する〈三中〉は〈ひらめき〉を招く。こうも言う。〈転んで、痛い目にあって、立ち上がってまた歩き出す。それが大人である〉▼「大人」を「人生」に置き換えた。そして40年余りの記者の歩みの先に、自らの〈定年からの人〉も思い浮かべてみた。

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