秋の叙勲農水96人 中野元全農会長ら
2020年11月03日

中野吉實元JA全農会長
政府は3日付で、秋の叙勲受章者4101人を発表した。農水省所管分は、旭日章71人、瑞宝章25人の計96人だった。JA関係では中野吉實・元JA全農会長が旭日重光章を受章した。
旭日重光章を受章した元JA全農会長の中野吉實氏(72)に喜びの声を聞いた。
農家に支えられたからこその受章。農家と共に収穫を喜び、多難を乗り越えてきた。過分な取り計らいに身の引き締まる思いだ。
「農家をちゃんと見てほしい」「生産した農畜産物の(品質などの)確かさを見てくれ」。微力ながらその一心で、農業者の真剣な生産活動を内外にアピール、特に農畜産物販売と農政に力を注いできた。現役を退いて久しいが、受章はその一つ一つを思い出す機会にもなった。
JAは、農家のその時々の課題に応えながら、新たな課題が発生したら、また対応する。その繰り返しで農家と共に成長してきた。これからも農家の皆さんには、知恵と力をJAに結集して課題に対応してもらいたい。
2020年秋の勲章受章者のうち農林水産関係者は次の通り(経歴は農水省発表資料による。敬称略。同省所管分)。
旭日重光章
▽中野吉實(72)佐賀・元全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長
旭日中綬章
▽中埜和英(70)愛知・(株)Mizkan Holdings会長
旭日小綬章
▽岡部幸雄(72)茨城・元日本騎手クラブ会長▽岡本健治(76)愛媛・元全国農業協同組合連合会愛媛県本部運営委員会会長▽小野勲(76)茨城・元茨城沿海地区漁業協同組合連合会代表理事会長▽木村薫(70)香川・香川県森林組合連合会代表理事会長▽齋藤松太郎(76)静岡・元全国茶商工業協同組合連合会理事長▽須藤正敏(72)東京・元全国農業協同組合中央会副会長▽高尾政秀(72)兵庫・全国乾麺協同組合連合会会長▽丹野一雄(72)宮城・元宮城県漁業協同組合経営管理委員会会長▽中村暢秀(79)京都・元一般社団法人大阪府木材連合会会長▽中村均(72)滋賀・元社団法人日本調教師会会長▽生井邦彦(79)茨城・元茨城県木材協同組合連合会理事長▽長谷川幸男(72)北海道・元北海道信用農業協同組合連合会経営管理委員会会長▽萬代宣雄(78)島根・元島根県農業協同組合中央会会長▽ダン・グッドマン(74)神奈川・元一般財団法人日本鯨類研究所カウンセラー
旭日双光章
▽淺野潤憙(77)三重・元一般社団法人三重県農業会議会長▽有川英雄(73)熊本・元全日本竹産業連合会会長▽池田耕一(72)鹿児島・元鹿児島県茶商業協同組合理事長▽石川哲雄(73)愛知・元愛知県茶業連合会会長▽井上源造(85)大阪・全国和菓子協会副会長▽岡田政義(77)京都・元京都府信用漁業協同組合連合会代表理事会長▽勝田実(72)千葉・ちば東葛農業協同組合代表理事組合長、元野田市消防団副団長▽神戸武士(81)埼玉・元埼玉県菓子工業組合理事長▽久保茂吉(74)鹿児島・元鹿児島県農業協同組合中央会会長▽佐々木幸久(74)鹿児島・元一般社団法人鹿児島県林材協会連合会会長▽澤田直明(73)島根・元島根県森林組合連合会理事▽塩本泰久(70)徳島・元公社徳島県獣医師会会長▽重久政純(76)鹿児島・鹿児島県醸造酢協会会長▽鈴木博(79)宮城・石巻市北方土地改良区理事長▽高橋正典(70)宮城・(株)高政会長▽中越利茂(70)高知・元高知県森林組合連合会代表理事会長▽中橋正敏(74)兵庫・協同組合日本飼料工業会理事副会長▽西垣源正(70)兵庫・畜産業▽西野憲一(73)北海道・北海道漁業共済組合副組合長▽西間久高(70)福岡・元公社北九州市獣医師会会長▽濱田佐登之(73)新潟・西蒲原土地改良区理事長▽廣井洋司(77)奈良・元奈良県養鶏協会会長▽二川隆一(70)香川・香川県食肉事業協同組合連合会会長▽松田富雄(75)山口・山口県森林組合連合会理事▽三浦満(74)島根・元一般社団法人島根県農業会議会長▽山田政晴(70)熊本・元熊本県酪農業協同組合連合会副会長理事▽渡部昭(79)神奈川・一般社団法人神奈川県洋菓子協会会長
旭日単光章
▽池田修(71)高知・土佐市農業委員会会長▽岩佐國男(78)宮城・元みやぎ亘理農業協同組合代表理事組合長▽太田幸一(73)宮城・元七ヶ宿町農業委員会会長▽大和田世志人(70)鹿児島・(有)かごしま有機生産組合代表取締役▽兼澤平也(72)岩手・農林業▽喜々津昭(72)長崎・畜産業▽菊岡政次(73)京都・農業▽熊谷研(81)岩手・元陸前高田土地改良区理事長▽古賀正廣(72)福岡・大牟田市農業委員会会長▽小松幸春(82)北海道・元北海道蒲鉾水産加工業協同組合副組合長▽高田清茂(72)秋田・山城水系土地改良区理事長▽高田勉(73)岡山・(有)スカイファーム代表取締役▽高橋甚一郎(74)茨城・元守谷市大野土地改良区理事長▽田添利弘(74)長崎・大村市農業委員会会長▽田中正規(71)島根・元邑南町農業委員会会長▽寺嶋昭一(81)千葉・香取郡東庄町桁沼土地改良区理事長▽中島武司(74)群馬・元安中市農業委員会会長▽中野勲(74)宮城・秋保町土地改良区理事長▽永松良雄(77)大分・大竜井路土地改良区理事長▽中村和志(70)鹿児島・元霧島市農業委員会会長▽畠山勝一(79)秋田・元秋田しんせい農業協同組合代表理事組合長▽花岡正英(72)新潟・元新潟市南区農業委員会会長▽早坂勝一(72)宮城・色麻土地改良区理事長▽藤原一利(79)島根・元奥出雲町農業委員会会長▽宮崎文也(75)佐賀・元唐津市農業委員会会長▽村上潔(70)大分・(株)村上農園代表取締役▽矢澤輝海(76)長野・元みなみ信州農業協同組合代表理事組合長▽横本正樹(71)広島・元広島ゆたか農業協同組合代表理事組合長
瑞宝中綬章
▽伊丹光則(70)東京・元九州農政局長▽伊藤健一(70)東京・元大臣官房総括審議官▽黒木幾雄(70)埼玉・元北陸農政局長▽小西孝蔵(70)東京・元農林水産政策研究所長▽小松兼一(70)東京・元関東農政局長▽瀬藤芳郎(70)東京・元東北農政局長▽中條康朗(70)東京・元農村振興局長▽濱野明(70)山口・元独立行政法人水産大学校教授
瑞宝小綬章
▽池戸重信(72)東京・元東京農林水産消費技術センター所長▽石塚吉生(72)静岡・元独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所長▽岡田恒夫(71)埼玉・元森林技術総合研修所長▽春日井治(71)千葉・元広島食糧事務所長▽腰岡政二(70)三重・元独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構花き研究所長▽佐藤一喜(72)千葉・元九州農政局総務部長▽高木悦郎(72)千葉・元九州農政局食糧部長▽仲建三(72)東京・元北海道森林管理局次長▽中村啓一(70)東京・元総合食料局食糧部消費流通課長▽茨木教晶(72)秋田・元東北農政局津軽農業水利事務所長▽細谷隆(71)茨城・元関東農政局生産経営部長▽松原敏春(72)埼玉・元家畜改良センター十勝牧場長▽脇坂文一(72)東京・元農林水産研修所長
瑞宝単光章
▽桂川敏孝(67)岐阜・元加子母森林組合作業班長▽菊池富士夫(68)茨城・元独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構中央農業総合研究センター企画調整部業務第1科総括作業長▽沢尻茂(72)青森・元独立行政法人家畜改良センター奥羽牧場飼料課総括作業長▽山本繁雄(88)岩手・雫石町土地改良区駒木野頭首工管理人
農家と共に成長 中野吉實元JA全農会長 喜びの声
旭日重光章を受章した元JA全農会長の中野吉實氏(72)に喜びの声を聞いた。
農家に支えられたからこその受章。農家と共に収穫を喜び、多難を乗り越えてきた。過分な取り計らいに身の引き締まる思いだ。
「農家をちゃんと見てほしい」「生産した農畜産物の(品質などの)確かさを見てくれ」。微力ながらその一心で、農業者の真剣な生産活動を内外にアピール、特に農畜産物販売と農政に力を注いできた。現役を退いて久しいが、受章はその一つ一つを思い出す機会にもなった。
JAは、農家のその時々の課題に応えながら、新たな課題が発生したら、また対応する。その繰り返しで農家と共に成長してきた。これからも農家の皆さんには、知恵と力をJAに結集して課題に対応してもらいたい。
農水省所管分受章者
2020年秋の勲章受章者のうち農林水産関係者は次の通り(経歴は農水省発表資料による。敬称略。同省所管分)。
旭日重光章
▽中野吉實(72)佐賀・元全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長
旭日中綬章
▽中埜和英(70)愛知・(株)Mizkan Holdings会長
旭日小綬章
▽岡部幸雄(72)茨城・元日本騎手クラブ会長▽岡本健治(76)愛媛・元全国農業協同組合連合会愛媛県本部運営委員会会長▽小野勲(76)茨城・元茨城沿海地区漁業協同組合連合会代表理事会長▽木村薫(70)香川・香川県森林組合連合会代表理事会長▽齋藤松太郎(76)静岡・元全国茶商工業協同組合連合会理事長▽須藤正敏(72)東京・元全国農業協同組合中央会副会長▽高尾政秀(72)兵庫・全国乾麺協同組合連合会会長▽丹野一雄(72)宮城・元宮城県漁業協同組合経営管理委員会会長▽中村暢秀(79)京都・元一般社団法人大阪府木材連合会会長▽中村均(72)滋賀・元社団法人日本調教師会会長▽生井邦彦(79)茨城・元茨城県木材協同組合連合会理事長▽長谷川幸男(72)北海道・元北海道信用農業協同組合連合会経営管理委員会会長▽萬代宣雄(78)島根・元島根県農業協同組合中央会会長▽ダン・グッドマン(74)神奈川・元一般財団法人日本鯨類研究所カウンセラー
旭日双光章
▽淺野潤憙(77)三重・元一般社団法人三重県農業会議会長▽有川英雄(73)熊本・元全日本竹産業連合会会長▽池田耕一(72)鹿児島・元鹿児島県茶商業協同組合理事長▽石川哲雄(73)愛知・元愛知県茶業連合会会長▽井上源造(85)大阪・全国和菓子協会副会長▽岡田政義(77)京都・元京都府信用漁業協同組合連合会代表理事会長▽勝田実(72)千葉・ちば東葛農業協同組合代表理事組合長、元野田市消防団副団長▽神戸武士(81)埼玉・元埼玉県菓子工業組合理事長▽久保茂吉(74)鹿児島・元鹿児島県農業協同組合中央会会長▽佐々木幸久(74)鹿児島・元一般社団法人鹿児島県林材協会連合会会長▽澤田直明(73)島根・元島根県森林組合連合会理事▽塩本泰久(70)徳島・元公社徳島県獣医師会会長▽重久政純(76)鹿児島・鹿児島県醸造酢協会会長▽鈴木博(79)宮城・石巻市北方土地改良区理事長▽高橋正典(70)宮城・(株)高政会長▽中越利茂(70)高知・元高知県森林組合連合会代表理事会長▽中橋正敏(74)兵庫・協同組合日本飼料工業会理事副会長▽西垣源正(70)兵庫・畜産業▽西野憲一(73)北海道・北海道漁業共済組合副組合長▽西間久高(70)福岡・元公社北九州市獣医師会会長▽濱田佐登之(73)新潟・西蒲原土地改良区理事長▽廣井洋司(77)奈良・元奈良県養鶏協会会長▽二川隆一(70)香川・香川県食肉事業協同組合連合会会長▽松田富雄(75)山口・山口県森林組合連合会理事▽三浦満(74)島根・元一般社団法人島根県農業会議会長▽山田政晴(70)熊本・元熊本県酪農業協同組合連合会副会長理事▽渡部昭(79)神奈川・一般社団法人神奈川県洋菓子協会会長
旭日単光章
▽池田修(71)高知・土佐市農業委員会会長▽岩佐國男(78)宮城・元みやぎ亘理農業協同組合代表理事組合長▽太田幸一(73)宮城・元七ヶ宿町農業委員会会長▽大和田世志人(70)鹿児島・(有)かごしま有機生産組合代表取締役▽兼澤平也(72)岩手・農林業▽喜々津昭(72)長崎・畜産業▽菊岡政次(73)京都・農業▽熊谷研(81)岩手・元陸前高田土地改良区理事長▽古賀正廣(72)福岡・大牟田市農業委員会会長▽小松幸春(82)北海道・元北海道蒲鉾水産加工業協同組合副組合長▽高田清茂(72)秋田・山城水系土地改良区理事長▽高田勉(73)岡山・(有)スカイファーム代表取締役▽高橋甚一郎(74)茨城・元守谷市大野土地改良区理事長▽田添利弘(74)長崎・大村市農業委員会会長▽田中正規(71)島根・元邑南町農業委員会会長▽寺嶋昭一(81)千葉・香取郡東庄町桁沼土地改良区理事長▽中島武司(74)群馬・元安中市農業委員会会長▽中野勲(74)宮城・秋保町土地改良区理事長▽永松良雄(77)大分・大竜井路土地改良区理事長▽中村和志(70)鹿児島・元霧島市農業委員会会長▽畠山勝一(79)秋田・元秋田しんせい農業協同組合代表理事組合長▽花岡正英(72)新潟・元新潟市南区農業委員会会長▽早坂勝一(72)宮城・色麻土地改良区理事長▽藤原一利(79)島根・元奥出雲町農業委員会会長▽宮崎文也(75)佐賀・元唐津市農業委員会会長▽村上潔(70)大分・(株)村上農園代表取締役▽矢澤輝海(76)長野・元みなみ信州農業協同組合代表理事組合長▽横本正樹(71)広島・元広島ゆたか農業協同組合代表理事組合長
瑞宝中綬章
▽伊丹光則(70)東京・元九州農政局長▽伊藤健一(70)東京・元大臣官房総括審議官▽黒木幾雄(70)埼玉・元北陸農政局長▽小西孝蔵(70)東京・元農林水産政策研究所長▽小松兼一(70)東京・元関東農政局長▽瀬藤芳郎(70)東京・元東北農政局長▽中條康朗(70)東京・元農村振興局長▽濱野明(70)山口・元独立行政法人水産大学校教授
瑞宝小綬章
▽池戸重信(72)東京・元東京農林水産消費技術センター所長▽石塚吉生(72)静岡・元独立行政法人水産総合研究センター遠洋水産研究所長▽岡田恒夫(71)埼玉・元森林技術総合研修所長▽春日井治(71)千葉・元広島食糧事務所長▽腰岡政二(70)三重・元独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構花き研究所長▽佐藤一喜(72)千葉・元九州農政局総務部長▽高木悦郎(72)千葉・元九州農政局食糧部長▽仲建三(72)東京・元北海道森林管理局次長▽中村啓一(70)東京・元総合食料局食糧部消費流通課長▽茨木教晶(72)秋田・元東北農政局津軽農業水利事務所長▽細谷隆(71)茨城・元関東農政局生産経営部長▽松原敏春(72)埼玉・元家畜改良センター十勝牧場長▽脇坂文一(72)東京・元農林水産研修所長
瑞宝単光章
▽桂川敏孝(67)岐阜・元加子母森林組合作業班長▽菊池富士夫(68)茨城・元独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構中央農業総合研究センター企画調整部業務第1科総括作業長▽沢尻茂(72)青森・元独立行政法人家畜改良センター奥羽牧場飼料課総括作業長▽山本繁雄(88)岩手・雫石町土地改良区駒木野頭首工管理人
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農政「評価」26%
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2021年01月12日
鳥インフル千葉2例目 114万羽殺処分
農水省と千葉県は11日、同県いすみ市の採卵鶏の農場で、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。今シーズン国内35例目で、同県内では2例目。県は同日、この農場が飼養する約114万5000羽の殺処分を始めた。
10日にウインドレスの鶏舎6棟のうち1棟で、鶏がまとまって死んでいたため、農場が県に通報。県が立ち入り検査をして同日中に簡易検査で陽性を確認し、11日にH5亜型と判定された。
この農場は、昨年12月下旬に感染が判明した同市の別の養鶏場から半径3キロ圏内の移動制限区域にあり、12月の検査では陰性だった。
今回の発生農場から3キロ圏内の移動制限区域では、1戸が160羽を飼育する。半径3~10キロ圏内の搬出制限区域では8戸が3万2135羽を飼う。
県は12月に同市内で鳥インフルエンザが確認された際に設けた消毒ポイントを継続し、通行する車両を24時間体制で消毒する。殺処分では自衛隊に災害派遣要請を行うことを検討している。
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2021年01月12日
二度目の緊急事態宣言
二度目の緊急事態宣言。都心はひっそりかんとしている▼東京郊外の拙宅周辺は、昨年後半から住宅建設ラッシュ。地元通の酒屋の店主いわく、優に100棟は建つとか。都心脱出の流れなのか。入居も始まったが、巣ごもりのせいでにぎわいはない。赤ん坊の泣き声もとんと聞かない▼昨今、赤ちゃんの泣き声を耳障りに感じる人が増えた気がする。飛行機や列車で露骨に嫌な顔をする人を何度も目にした。「騒音」と感じるか、ほほ笑ましく感じるか。あなたはどちらだろう。そもそも赤ちゃんの泣き声は、言葉の代わりに発する緊急サイン。「おなか減った」「おしっこ漏れそう」「なんだか熱っぽいよ」▼親に分かってもらおうと必死に伝える。だから不思議なことに、その泣き声は、救急車や目覚まし時計のアラーム音などと同じ周波数を含んでいるという。しかも世界共通。成長するに連れ、声帯は変わるが、生まれたては人類皆同じ。サイレンと同じだから不快になって当たり前。「子どもは泣くのが仕事」。そんな大事な「仕事」を温かく見守り、手を差し伸べ合う社会であってほしい▼ところでコロナで窮状にあえぐ国民の悲鳴や泣き声は、政府にちゃんと届いているのだろうか。よもや「騒音」封じの緊急事態宣言再発令ではあるまいが。
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2021年01月12日
農政の新着記事
鳥インフル 移動制限全て解除 厳重警戒続く 香川県三豊市
香川県は16日、三豊市で集中発生した今季12事例の高病原性鳥インフルエンザについて、発生農場から半径3キロ圏内で設けた鶏などの移動制限を全て解除した。通常は防疫措置完了後、最短21日の経過で解除できるが、狭い範囲で続発して埋却などの作業も難航。制限解除は昨年11月5日の初発生から約2カ月ぶりになる。今後は感染防止とともに、養鶏場の経営再建が課題となる。
今季の高病原性鳥インフルエンザは発生が15県に広がり、殺処分の羽数は36事例(48農場)で約600万羽となった。1シーズンの被害としては過去に例がない事態。直近でも全国屈指の養鶏産地、千葉県や鹿児島県で発生している。
香川県内の制限区域の解消により、今季発生した36事例のうち31例目まで(全体の86%)は鶏などの移動制限が全て解除された。現時点で制限区域が残るのは32~36事例の発生農場がある千葉、岐阜、宮崎、鹿児島の4県となる。
三豊市内では、県によると、12事例で約179万羽を殺処分した。鶏などの移動が制限された半径3キロ圏内では今も33農場が、約129万羽を飼養。制限が長期化したことで、県は「一部の農場では、ブロイラーが出荷できる日齢を超えたため処分された」と説明する。
移動制限の解除を受け県養鶏協会の志渡節雄会長は「(感染源とみられる)渡り鳥は、まだ周辺にいる。気を緩めず、感染防止に取り組む」と強調。その上で、「発生農場は、経営再開のめどが全く立っていない。国や県には支援や補償を早く示し、農家の不安を払拭(ふっしょく)してもらいたい」と要望している。
ため池が多い香川県では、渡り鳥が飛来する時季に発生が集中した。今後は春に渡り鳥が北へ移動する時季にウイルスが拡散する可能性がある。
北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授は「渡り鳥がシベリアに帰っていく、5月の大型連休ごろまでは厳重な警戒が必要。人、物の消毒や野鳥、野生動物の侵入防止など飼養衛生管理を徹底すべきだ」と話す。
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2021年01月17日

本紙モニター調査 米需給対策=4割「課題あり」 輸出5兆円=「対策次第」3割
日本農業新聞が12月中下旬に行った農政モニター調査で、主食用米の需給均衡に向けた農水省の対策について「課題がある」との回答が39%に達した。米政策の改善には「転作メリットの拡充」が必要との声が最多だった。農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする政府目標の達成の成否は「対策次第」とみる回答が33%で最も多かった。
農水省は昨年12月、輸出・加工用米や麦・大豆などへの転換に10アール当たり4万円を助成する「水田リノベーション事業」をはじめ、転作支援の拡充や米の需要喚起に向けた対策を発表。調査では「評価している」は12%にとどまり、「課題があり見直しが必要」が39%、「どちらともいえない」が47%だった。
「米政策を改善するとしたら、どういった視点が必要になるか」との質問には、回答を二つまで選んでもらった。最も多かったのは「転作推進のメリット拡充」で36%、「生産費を補う所得政策の確立」が35%で続いた。「資材価格の引き下げ」と「米の消費喚起」も30%の人が選んだ。
売上高が最も多い品目に「水田農業」を選んだ人に限ると、米対策については「評価」が14%、「課題がある」が44%、「どちらともいえない」が42%だった。米政策の改善については、「所得政策」が42%、「転作メリット」が36%、「資材価格」が35%の順だった。
農水省は21年産の米生産を「正念場」(野上浩太郎農相)とし、需給均衡には過去最大規模となる前年産比6・7万ヘクタールの作付け転換が必要とみる。対策の実効性確保には、こうした農家の意見も踏まえ、理解を求める必要がありそうだ。
輸出5兆円目標の達成については「対策次第」が33%だった一方、「達成できない」が27%、「過大だ」が16%で、「達成できる」の6%を上回った。経営品目別に見ると、「達成できる」と考える割合が最も高かったのは肉用牛肥育で14%、低かったのは畑作物と養鶏でゼロだった。水田農業や花きは5%、施設園芸は3%にとどまった。
政府は昨年11月、輸出目標達成に向けた実行戦略を策定したが、輸出の拡大には同戦略に沿った十分な支援策とともに、農家の意欲喚起も求められそうだ。
調査は、農業者を中心とした本紙の農政モニター1133人を対象に昨年12月中下旬、郵送で実施。756人から回答を得た。
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2021年01月17日
豪州と米国 市民農園ブーム コロナ禍契機に 食材自給 注目集める
新型コロナウイルス禍を契機に、海外で市民農園が注目されている。物流が混乱しても自給自足をすれば食材調達が可能だからだ。政府支援が加わり、今後はさらに拡大しそうだ。オーストラリアと米国の事例を紹介する。
オーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州。広さ5000ヘクタールに上る自然保護地区ウエスタンシドニーパークランズで、市民農園が徐々に増えている。州の委託で保護地区を管理するウエスタンシドニーパークランズ財団がコロナ禍対策として推し進めていることが背景にある。
同財団は、2006年に地区内の13・2ヘクタールを農地に転用し始めた。16都市から訪れた市民がキュウリなどを栽培し、同州シドニー市内の直売所などで販売。コロナ禍の拡大以降はスーパーの品ぞろえが悪かったことがあり、近隣の消費者が直売所に殺到。売り上げは通常の20倍に増えた。同財団は今後、さらに52ヘクタール分を拡大する予定だ。
食品システムに詳しい同国メルボルン大学のレイチェル・キャリー教授は「自然災害や供給チェーンの混乱に備え、都市は保険政策として都市農業能力を高めるべきだ」と指摘する。
米国東部のシアトル市では、主に黒人と先住民族の間で都市農業が流行。失業者や生活困窮者にとっての自給自足手段として広がっている。
きっかけは、黒人差別抗議運動(ブラック・ライブズ・マター=BLM)を主導する社会活動家のマーカス・ヘンダーソン氏が、小さな野菜畑を作ったことだ。畑は、20年6月に機動隊とデモ隊の衝突が頻発していたキャピトルヒル自治区(デモ隊が自治を宣言した地域)の公園内にある。同氏はBLM問題を巡り警察や機動隊と激しくぶつかり合う暴力的な日々を問題視し「殴り合いよりも、差別や失業で苦しむ黒人を助けるのが優先だ」と行動を起こした。
同氏に賛同する黒人農家らが「本格的に都市住民のための農業を興そう」と集まり、シアトル市からキング牧師記念センター敷地内の空き地を正式に借り入れた。農機具や資材はインターネットで市民から寄付を募って購入。「自分の食料を自分の手で作ろう」をスローガンに、人種差別やコロナ禍で失業した生活困窮者の参加を呼び掛けた。現在、約1ヘクタールの作業に430人以上が参加しているという。
収穫する農産物は、参加者の家族に加え、市内の生活困窮者にも配る予定だ。同氏は「シアトル市内では9人に1人が生活に困窮している。まず畑の周辺7000戸の困窮家庭のうち約半数の3500戸に提供できる量は収穫できるはずだ」とみている。
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2021年01月17日
農地特区 特例2年延長決定 「全国展開前提でない」 担当相
政府は15日の国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例について、8月末の期限を2年間延長する方針を決めた。2021年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否について調整する。坂本哲志地方創生担当相は同日の閣議後記者会見で、調査は「全国展開を前提にしたものではない」と述べた。期限の延長を盛り込んだ同特区法改正案は、18日召集の通常国会に提出する。
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
2021年01月16日
農業分野の技能実習生 1~3月2000人予定 人手不足を懸念 入国停止で農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、1~3月に来日を予定していた農業分野の外国人技能実習生らが約2000人に上ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、技能実習生を含む外国人の新規入国は停止中で、生産現場の人手不足が問題となる可能性がある。野上農相は影響を注視しつつ、代替人材の確保を後押しする考えを示した。
昨年12月末時点で今年1~3月に来日予定だった技能実習生らの数を、都道府県やJAなどに聞き取ってまとめた。……
2021年01月16日

「BUZZ MAFF」 Jリーグとコラボ動画 若者に農業PR 農水省
農水省は15日、公式ユーチューブチャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、サッカーJリーグと連携した動画の投稿を始めた。地域の農業への理解や関心を深めてもらうため、Jリーグチームの行う農林水産業の取り組みを同省職員の「ユーチューバー」が発信する。第1弾としてJ2の松本山雅FC(長野県)、J3の福島ユナイテッドFC、ガイナーレ鳥取との動画を投稿した。
「ばずまふ」は、職員の個性や発想を生かした動画を投稿し、農業への関心が薄い若者を含めて広く情報を発信している。 現在、動画の総再生回数は620万回以上。スポーツチームと連携してPRに取り組むのは初めて。
松本山雅FCと連携した動画では、黒ずくめのばずまふユーチューバーが登場。休耕地で地域の住民と連携して1トンの青大豆を生産する取り組みを紹介し、青大豆を使った新しいスイーツの開発に挑戦する。
選手が生産した農産物を販売する「農業部」がある福島ユナイテッドFCとの動画では、選手が自ら作った米をPRする。東北農政局の職員が米を食べ、自作の応援ソングも披露する。ガイナーレ鳥取と連携した動画では、中国四国農政局の職員が、チームの職員と地域の休耕地を利用して芝生を生産・販売する取り組みについて語り合う。
今後も、全国のチームと連携した動画を配信していく。同省は「農業に取り組むクラブは他にもある。地域の農業への理解が深まれば」(広報評価課)と期待を寄せる。
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2021年01月16日
作業安全週間を設定 2月16日から11日間 農水省
農水省は15日、2月16日から26日までを「農林水産業・食品産業 作業安全推進Week」にすると発表した。期間中に安全対策に関するシンポジウムや情報交換の会議などを集中して企画。農業者らに、作業の安全対策は人ごとではなく自分事と捉え、安全・人命が全てに優先することを認識してもらう。同省が短期間に作業安全に関するイベントを集中させて続けるのは初めて。
農林水産業と食品産業の業界全体で安全対策を進めてもらう狙い。……
2021年01月16日
雪被害、20道府県6766件 支援「適切に対応」 農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、大雪によって岩手、秋田、新潟など20道府県から、農業用ハウスなどの施設6766件の被害報告を受けていると明らかにした。農相は「引き続き現地との連絡を密にしながら被害状況を把握し、農林水産業への影響を最小限にするよう、適切に対応したい」と述べた。
農水省によると、15日午前7時半現在で、ハウス6359件、農業用倉庫215件、畜産用施設192件の被害報告を受けた。……
2021年01月16日

実習生ら対象 外国人入国停止 人手不足深刻化も
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は14日、ビジネス関係者らに例外的に認めていた外国人の新規入国を一時停止した。この例外措置の対象には技能実習生も含まれており、昨年11月から今月10日までにベトナム、中国などから実習生約4万人が入国していた。入国制限で生産現場の人手不足に拍車がかかる可能性があり、農水省は影響を注視している。
農水省 支援活用促す
政府は、コロナの水際対策の入国制限を昨年10月に緩和し、全世界からのビジネス関係者らの入国を再開。感染再拡大を受けて12月28日には一時停止したが、中国や韓国、ベトナム、ミャンマーなど11カ国・地域のビジネス関係者らの入国は例外的に認めていた。だがこの措置も14日から、宣言解除予定の2月7日まで停止した。……
2021年01月15日

鳥インフル対策徹底を リーフ作成 農水省
農水省は高病原性鳥インフルエンザの多発を受け、養鶏農家に注意喚起するリーフレットを作成した。今季は渡り鳥の飛来地の他、道路や公園、森などにもウイルスが多量に存在するとし、飼養衛生管理の徹底など、対策への意識を高めてもらうのが狙い。都道府県を通じて配布し、同省のホームページなども活用して周知する。
今季は昨年11月以降、過去最多の15県36例の高病原性鳥インフルエンザの発生を確認し、殺処分羽数は合計で約600万羽に上る。また死亡野鳥や、池・ダム湖の水など10道県27件の環境試料からも高病原性のウイルスが検出されている。
リーフレットでは、今季は「多量に鳥インフルエンザウイルスがあちこちに存在」すると指摘した。特にハヤブサやフクロウの死亡個体からもウイルスを検出。鳥や小動物を捕食する猛禽(もうきん)類の感染は、環境中のウイルス濃度が高まっている指標になるという。また、今季のウイルスは感染してから死亡するまでの期間が長い傾向がある。リーフレットでは養鶏農家が早期発見できるよう症状も紹介。とさかのチアノーゼや顔面の浮腫性腫脹(しゅちょう)、突然死などを写真で示した。
対策では、ウイルスを農場内に入れないことを強調。手指消毒や車両消毒、防鳥ネットの管理など全従業員による飼養衛生管理の徹底を促した。同省は「国の支援も活用し、防疫対策をより強化してほしい」(動物衛生課)と話す。
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2021年01月15日