[家畜はどこへ 広域盗難を追う] 群馬に別グループ浮上 全国へ「にく」密売か
2020年11月10日

SNSのベトナム人コミュニティーサイトに投稿された宅配伝票の写真。品名欄に「にく」と書かれてある(画像は一部加工しています)
北関東を中心に家畜900頭が盗まれた事件に関連し、群馬県館林市のベトナム人グループが、奈良や千葉など全国へ豚の肉や血液を冷蔵宅配便で密売していた疑いが浮上している。と畜場法違反容疑で逮捕された同県太田市の技能実習生ら17人とは別で、在日ベトナム人のインターネット交流サイト(SNS)に豚肉の送付済み伝票の写真などを投稿し、注文を受けていた。購入者は各地にいるとみられ、捜査も広域化しそうだ。
日本農業新聞が確認した複数の投稿のうち、7月下旬の投稿には10枚程度の荷物の発送済み伝票の写真があり、送付品欄には「にく」と平仮名で書かれていた。宛先欄には奈良、千葉、埼玉などの住所が日本語で記され、依頼主欄にはアルファベットで館林市内の住所とベトナム人名があった。依頼主の連絡先には携帯電話番号が書かれていた。
投稿には伝票の他、内臓が取り除かれた豚の胴体、豚の血とみられる赤い液体入りのペットボトル、豚肉料理の写真もあった。豚の血はソーセージの材料として知られており、送付済み伝票や解体中の豚の写真を並べることで「新鮮な豚を届ける」というメッセージになっている。
「危機を乗り越えて仕事ができる」といった購入者への感謝の言葉に加え「ローストポークが必要な場合は知らせて」と、調理して送るサービスも書かれていた。注文は「午後6時まで」と限定。以前から豚の密売を繰り返していたことを示す記述もあった。
さらに別の投稿には、刃物を手に解体中の豚をまたぐ男の写真がある他、「100頭の豚をお客さまに届けた」とした女の投稿もあり、解体だけでなく大量の豚を生きたまま密売していた疑いも出てきた。
グループの投稿は家畜盗難が社会の注目を集め始めた9月ごろに削除されたが、投稿の内容は県警も把握している。
家畜窃盗の捜査過程で逮捕され、報道発表されたベトナム人は、同県太田市と埼玉県上里町に住む20~39歳の技能実習生ら男女19人で、容疑は豚の違法解体や不法残留。捜査上の理由で発表されていない逮捕者もいるもようで、警察は窃盗容疑での立件に向け詰めの捜査を続けている。
盗難900頭のうち豚は840頭で、その大半は体重50~60キロの子豚だ。食肉関係者によると、60キロの豚から取れる赤肉は二十数キロで、バーベキュー100人分に相当。8万4000食分が盗まれた計算で、国内で起きた家畜窃盗事件としては前例のない規模だ。可食部だけの被害総額は市場価格換算で3000万円を上回り、被害農家は大きな打撃を受けた。
840頭全てが解体され食べられたのか、飼育されている個体もいるのか。子豚を盗まれた養豚場経営者は「豚は戻らないと覚悟しているが、せめてどうなったのかは知りたい」と捜査の行方を見守る。(栗田慎一)
SNSに写真
日本農業新聞が確認した複数の投稿のうち、7月下旬の投稿には10枚程度の荷物の発送済み伝票の写真があり、送付品欄には「にく」と平仮名で書かれていた。宛先欄には奈良、千葉、埼玉などの住所が日本語で記され、依頼主欄にはアルファベットで館林市内の住所とベトナム人名があった。依頼主の連絡先には携帯電話番号が書かれていた。
投稿には伝票の他、内臓が取り除かれた豚の胴体、豚の血とみられる赤い液体入りのペットボトル、豚肉料理の写真もあった。豚の血はソーセージの材料として知られており、送付済み伝票や解体中の豚の写真を並べることで「新鮮な豚を届ける」というメッセージになっている。
「危機を乗り越えて仕事ができる」といった購入者への感謝の言葉に加え「ローストポークが必要な場合は知らせて」と、調理して送るサービスも書かれていた。注文は「午後6時まで」と限定。以前から豚の密売を繰り返していたことを示す記述もあった。
さらに別の投稿には、刃物を手に解体中の豚をまたぐ男の写真がある他、「100頭の豚をお客さまに届けた」とした女の投稿もあり、解体だけでなく大量の豚を生きたまま密売していた疑いも出てきた。
グループの投稿は家畜盗難が社会の注目を集め始めた9月ごろに削除されたが、投稿の内容は県警も把握している。
家畜窃盗の捜査過程で逮捕され、報道発表されたベトナム人は、同県太田市と埼玉県上里町に住む20~39歳の技能実習生ら男女19人で、容疑は豚の違法解体や不法残留。捜査上の理由で発表されていない逮捕者もいるもようで、警察は窃盗容疑での立件に向け詰めの捜査を続けている。
盗まれた豚8万食分
盗難900頭のうち豚は840頭で、その大半は体重50~60キロの子豚だ。食肉関係者によると、60キロの豚から取れる赤肉は二十数キロで、バーベキュー100人分に相当。8万4000食分が盗まれた計算で、国内で起きた家畜窃盗事件としては前例のない規模だ。可食部だけの被害総額は市場価格換算で3000万円を上回り、被害農家は大きな打撃を受けた。
840頭全てが解体され食べられたのか、飼育されている個体もいるのか。子豚を盗まれた養豚場経営者は「豚は戻らないと覚悟しているが、せめてどうなったのかは知りたい」と捜査の行方を見守る。(栗田慎一)
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エゴマに高抗酸化力 そば粉、玄米、黒大豆も 富山県食品研34品目を調査
富山県農林水産総合技術センター食品研究所は「県内産農産物の抗酸化力評価」をまとめ、3日の研究発表会で説明した。調査した県産34品目の中で「生のエゴマの葉」が最も高い数値が出た。実際には調理して食べることを想定し、品目ごとに加熱や保存した場合の抗酸化力の変化も示しており、県産の販売促進や消費者の利用拡大に役立てる。
体を酸化させる活性酸素は、さまざまな病気の発症に関係しているとされる。「抗酸化力」が人体にもたらす効果は研究途上だが、活性酸素の害を防ぐ役割が期待されている。健康志向の高まりを受けて食品研究所は、2012~19年度にわたり、県内の農産物や加工品34品目の抗酸化力を、ORAC法と呼ばれる測定方法で分析した。
ORACは「活性酸素吸収能力」と訳される指標。ポリフェノールやビタミンCなど水溶性抗酸化物質が関係する数値と、ビタミンEなど脂溶性抗酸化物質が関係する数値をそれぞれ測定して合算し、抗酸化力を評価した。34品目のうち、生のエゴマの葉は119と格段に高い数値が測定された。エゴマはシソ科の一年草で、富山市が特産として力を入れている。えごま油も53と高い。
他に高い値が出たのは、そば粉(品種は「信濃1号」)の90、玄米(「富山赤78号」)81、乾燥した黒大豆(「丹波黒」)77、ユズ果皮70、バタバタ茶葉69、生のブルーベリー57など。米みそは4社で調べたところ45~51と比較的高かった。
詳細は食品研究所のホームページで公開し、加熱や保存による抗酸化力の変化も紹介している。発表会場でも関心は高く、「食べるときの分量を考慮するのも大事ではないか」などと質問や意見が相次いだ。
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2021年03月04日

コンサル職員を育成 経営課題の解決へ 組合員に適切助言 滋賀中央会
JA滋賀中央会は2020年度、農家組合員の経営上の課題を指摘してその解決策を提案するコンサルティング能力を備えたJA職員の育成に乗り出した。営農指導員などを対象に、講義や実習を織り交ぜた研修を実施。組合員の農業経営に関して適切な助言や指導ができる人材を育てる。中央会によると、こうした人材育成に県域で取り組むのはJAグループでは全国的に珍しい。
これまで営農技術と比べ、農業経営に関して適切な助言や指導ができるJA職員の人数が限られていることが課題だった。……
2021年03月03日
広域捕獲 国が支援 鳥獣特措法改正で骨子案
自民党が議員立法に向けて検討している鳥獣被害防止特別措置法改正案の骨子案が4日、判明した。都道府県が市町村の枠を超えて広域的に捕獲を進める際に、国が財政支援を行うことを明記。猟銃所持許可を更新する際に必要な技能講習の免除特例の延長や、捕獲した鳥獣の有効利用の促進強化も盛り込んだ。
特措法は2007年に議員立法で成立し、今国会で4回目の改正を目指している。……
次ページに骨子案のポイントの表があります
2021年03月05日
コロナと田園回帰 共生できる環境整備を
新型コロナウイルス禍で田園回帰への関心が高まっている。政府や自治体などは農山村への人の流れを加速させようと懸命だ。しかし、人口を増やすことだけが目的だと一過性に終わりかねない。移住者と住民が互いに共生できる地域づくりが欠かせない。
都市は「3密」になりやすく、新型コロナの感染リスクが高い。このため人口密度の低い農山村の価値が見直され、東京一極集中に是正の兆しもみられる。人口移動に関する総務省の統計では、東京都から出て行く転出者は2020年が40万人を超え、前年より4・7%増えた。比較可能な14年以降で最多だ。一方、東京都への転入者は43万人で同7・3%減った。
この流れを「ビックウエーブ」と歓迎する声もあるが、疑問だ。北海道のある自治体の移住担当者は「都市からの一時避難として移住する人を増やしても、地域にとって意味がないのではないか」と冷静に捉える。
テレワークが普及し、都市に住んでいた時と同じ仕事をしながら住居だけを変える「引っ越し感覚」の移住では、地域とあまり関わらないままになる可能性がある。農的な暮らしがしたいなど、希望を持って移住してくる人の受け入れ態勢をどうつくるかが重要である。
参考になるのが、酪農ヘルパーの労働環境改善に向けた北海道での取り組みだ。酪農家の休暇や冠婚葬祭時などに欠かせず、道外からの移住者らが担い手になっている。多くの酪農家には従来、作業員や労働力としての捉え方が強かったという。
一方、インターンシップの受け入れができなかったことなどで酪農ヘルパーの希望者が減少。北海道酪農ヘルパー事業推進協議会(事務局=JA北海道中央会)は、道全域の組合で、就業規則の整備率100%を目指し運動を始めた。地域によっては、酪農ヘルパーをしながら他の仕事もする「半酪農ヘルパー半X」も活躍している。
道東の酪農家は「労働環境を改善し、酪農ヘルパーが生き生きと地域で暮らすことで、他の人もこの地域に関心を持ち、地域全体に良い影響をもたらす」と期待する。
北海道では、酪農ヘルパーだけでなく、新規就農者に加え、学生や地域おこし協力隊、他に仕事を持っている人、1日契約など週末だけ農業でアルバイトをする主婦ら、多様な人が農業への関心を高めている。農家や産地も専業農家の確保・育成だけでなく、そうした人たちを大切にし、受け入れようとの意識に変わってきている。
しかし農業の労働環境の整備・改善や、ライフスタイルや価値観が多様な人たちの受け皿づくりは一朝一夕にはできない。農家や産地、地域の取り組みが必要だ。一方で「引っ越し感覚」で移住して来た人に、地域社会の一員としての意識と関わりを持ってもらう取り組みも求められる。
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2021年03月03日

すだち果汁EPパック JA徳島市
スダチを搾った100%天然果汁で、JA徳島市が30年以上前から製造・販売しているロングセラー商品。スダチの爽やかな酸味とすがすがしい香りが好評だ。
焼き魚や鍋料理に使えば、味や香りがぐっと引き締まる。特に秋のサンマやマツタケ、冬のフグ料理には欠かせない。「しょうゆの代わりに使えば塩分の取り過ぎを抑えることもできる」と健康志向の人からも人気がある。
1リットル入りは牛乳パックと同じサイズで、冷蔵庫のドアポケットにピッタリ収まる。スダチ約200個分の果汁が入っている。価格は1リットル入り1080円、500ミリリットル入り756円。
問い合わせはJA農産工場、(電)088(679)2411。
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2021年03月08日
農政の新着記事

[大地とともに](上)農業再生 担い手の確保難航 通い続け農地保全 稼働面積増やせず 福島県大熊、双葉町
雑草が茂る水田をトラクターが土煙を上げて走り、アタッチメントの爪が次々と草を取り除く。東京電力福島第1原子力発電所事故によって、手付かずとなった水田が広がる福島県双葉町の沿岸部、両竹地区。将来の営農再開に向けて農地の保全作業が続く。
地区は事故から5年後の2016年に、農地除染が完了。……
2021年03月09日
[新型コロナ] 飲食店取引先の一時金申請開始 収入5割減が対象
経済産業省は8日、新型コロナウイルス対策として、飲食店の取引先などに支払う一時金の申請受け付けを始めた。農家も対象となり、緊急事態宣言の再発令の影響で1~3月のいずれかの1カ月間の収入が、2019年か20年と比べて5割以上減ったことが条件。法人は60万円、個人は30万円が上限だ。申請はオンラインで5月31日が締め切り。不正受給を防ぐため、金融機関などによる事前確認が必要となる。
一時金は、1月の緊急事態宣言の再発令を受けた飲食店の時短営業や外出自粛などの影響で、21年1~3月のいずれかの1カ月間の事業収入が50%以上減った中小・個人事業者に支払う。……
2021年03月09日
2018年産かんきつ収穫量 和歌山が全国1位に 農水省調査
2018年産の温州ミカンや中晩かんを含むかんきつ収穫量で、和歌山県が44年連続1位だった愛媛県を上回り、1位となったことが農水省の調査で分かった。愛媛県は同年7月の西日本豪雨で園地が被災し、ミカンの収穫量が減った。
農水省は2月までに、ミカンとかんきつ類の収獲量の調査結果をそれぞれまとめた。……
2021年03月09日

歌って踊って日本酒飲んで 農水省チャンネル新動画を公開
新型コロナウイルスの影響で落ち込む日本酒の消費を喚起しようと、農水省がユーチューブ公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で、新たな動画を公開した。同省の若手職員や酒造好適米の生産者らが次々に登場し、日本酒で乾杯を呼び掛けるダンスを全力で踊る内容だ。
日本酒造組合中央会が制作した動画「日本酒ダンス」を基に、ダンス動画で人気のユーチューバーの指導も受けながら制作し、5日に公開。その日のうちに数千回の視聴があった。
動画には、若手を中心とする同省職員40人超が出演。ラップ音楽と共に、同省の大臣室前や地方農政局の事務所など、次々に舞台を変えて踊る様子が流れる。宮城県内の酒米生産者3人も出演し、ダンスを披露している。
日本酒はコロナ禍を受け2020年は前年比で国内出荷量が11%減、輸出量は13%減。こうした苦境を背景に、ラップの歌詞では「酒米、来年は作れないかもしれない」と危機感を強調。会食が困難な中で「リモート飲み会」を呼び掛けるなどで、消費拡大を訴える。
ばずまふの運営メンバーで動画制作を提案した同省鳥獣対策・農村環境課の吉村真里菜さんは「皆が酒米や日本酒の産地が元気になることを祈りながら踊った。特に、日本酒になじみの薄い若い人たちに魅力を届けたい」という。
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2021年03月08日

リーフ茶「飲む回数増えた」 コロナ下で若者の行動に変化
若い世代(18~29歳)の26%が、新型コロナウイルス下でリーフ茶(茶葉からいれた緑茶)の飲用頻度が「増えた」と回答したことが、農水省の調査で分かった。家で過ごす時間が長くなったことや健康への関心が高まったことが背景にある。ペットボトル緑茶飲料の浸透で茶葉離れが課題だった消費に、変化が見られた。
農水省が「緑茶の飲用に関する意識・意向調査」を、昨年10月中旬から11月上旬にかけて実施し、18歳以上の男女1000人から回答を得た。
リーフ茶の飲用頻度が「増えた」と回答した人は全世代合計では14%(143人)だったが、18~29歳の世代では「とても増えた」「少し増えた」と回答した人が26%(36人)に上った。
増えた理由(複数回答)として、18~29歳世代では「自宅で食事する時間が増えたから」(67%)が最多。「自宅でくつろぐ時間が増えたから」(47%)、「健康機能性に魅力を感じたから」(44%)、「家族と過ごす時間が増えたから」(22%)と続いた。
リーフ茶飲用頻度が「増えた」と回答した全世代で、茶葉購入先(複数回答)として「増えた」のは「スーパー」(75%)、「インターネット販売」(30%)、「茶専門店」(29%)、「ドラッグストア」(21%)。
ネット購入が増えたと回答した人の割合は60代がトップ(42%)、次いで70代(36%)と高齢層の電子商取引(EC)利用の急伸も見てとれる。18~29歳の世代は33%でそれに続いた。
茶葉は緑茶飲料や他の飲料にシェアを奪われ、需要が減少している。コロナ下での業務需要の落ち込みも拍車を掛け相場が低迷し、消費喚起が課題となっている。
農水省は「リーフ茶飲用の機会増加を捉えて、茶業界には若者がさらにお茶を飲むような取り組みを期待したい」(茶業復興推進班)と話す。
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2021年03月08日

桃 初の10万トン割れ せん孔細菌病が多発 20年収穫量
2020年産の桃の収穫量が9万8900トンとなり、前年産より9000トン(8%)減ったことが農水省の調査で分かった。4年連続の減少で、同省の統計開始以降初めて10万トンを割り、過去最低となった。主産地の福島県や長野県などで、葉や果実に穴が開く「せん孔細菌病」が多発したことが要因。同省は20年度第3次補正予算に同病の防除対策を盛り込み、生産継続を支援する。
都道府県別の収穫量は、全国1位の山梨県がほぼ前年並みの3万400トン。同2位の福島県は2万2800トンで同16%減、同3位の長野県は1万300トンで14%減った。果実を収穫するために実らせた結果樹面積は全国で9290ヘクタールで、3%減った。一方、全国の10アール当たり収量は6%減の1060キロだが、福島県、長野県では、ともに12%の減少だった。
両県の収穫量の減少について、同省はせん孔細菌病の多発を要因に挙げる。対策として同省は、20年度第3次補正予算で、同病などを対象とした「重要病害虫等早期防除対策事業」に4億6300万円を計上した。福島や長野など、同病の被害が拡大している地域のJAや複数の農家でつくるグループが対象。発生状況の調査や枝葉の病斑の除去などの経費として、最大半額まで補助する。
希望者は、防除の時期や取組内容などを盛り込んだ事業計画書を地方農政局に提出する。予算の限度額に達していない場合、年度をまたいでの申請でも認められるが、同省は「まん延を早期に防止するためにも、早めに申請してほしい」(植物防疫課)と説明する。
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2021年03月07日
規制会議議論始まる 准組利用「組合員の判断」 農水省が方向性表明
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、改正農協法施行5年後の見直しに向けた議論を始めた。農水省やJA全中などから意見を聴取。同省は今後の検討の方向性として、JA准組合員の事業利用については「組合員の判断に基づく」との考えを示した。WG側は、農家所得増大に向けたJAの自己改革の成果を詳細に示すよう求め、数値目標による進捗(しんちょく)管理の必要性も指摘した。
WG 所得増「数値目標を」
会合は非公開。同省は各分野の改革の実施状況を総括し、方向性を示した。……
次ページに農水省が示した農協改革の検討方向の表があります
2021年03月06日
有機農業 50年に100万ヘクタール 新戦略中間案 環境負荷軽減へ 農水省
農水省は5日、環境負荷の軽減と農業生産力向上の両立を目指す中長期的な政策方針「みどりの食料システム戦略」の中間取りまとめ案を公表した。2050年までに①化学農薬の使用量半減②化学肥料の使用量3割減③有機農業を全農地の25%に拡大──といった意欲的な数値目標を提示。技術革新や農家・消費者らの理解などを前提とし、生産体系を大きく転換する方針を打ち出した。
次ページに新戦略のポイントの表があります
2021年03月06日
食料安保など重点に 中国の全人代が開幕
中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は5日、北京で開幕された。2021年からの14次5カ年計画に加え、35年までの長期目標も議論し、食料安全保障などを柱に政策を定める見通しだ。食料安全保障では、種子と耕地が重要と強調。種子の遺伝資源の保護や優良品種の選抜、普及を強化し、農家支援も拡大する。……
2021年03月06日
農地所有適格法人 現行要件 「支障」2割 規制会議に調査示す 農水省
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)は5日、農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、農水省に意見を聞いた。同省は、現行要件では資金調達などに「支障がある」とする法人が約2割だったとの調査結果を提示。農業関係者が今後も経営権を確保する必要性を示しつつ、一定の条件下で出資による資金調達の在り方についても検討する必要があるとの考えを示した。
同会議は、「農業者の資金調達の円滑化」を名目に、同法人の議決権要件緩和に関心を示す。……
次ページに調査結果の表があります
2021年03月06日