弥生時代稲作は不耕起? 復元農具使い実証 通説覆る可能性も 山形大などの研究グループ

弥生・古墳時代の農具を使った耕作を体験する学生(山形県天童市で)

 弥生時代の木製農具は水田を耕すことができたのか──。山形大などの研究グループが、弥生時代と古墳時代の復元農具を用いた実証実験を始めた。それぞれの時代で異なる木刃と鉄刃の農具を用いて耕作し、生産性などを比較する。稲作が伝来した当初から耕起が行われていたとする通説が覆る可能性もあり、注目が集まっている。

 実証実験は山形大の他、東京都立大、静岡大、岡山理科大など各地の教育機関などが協力する全国規模の研究の一環。

 山形大の白石哲也准教授(考古学)によると、一般的には稲作文化は弥生時代(紀元前8~3世紀ごろ)に中国・朝鮮半島から伝来し、耕起などを含む完成された形でかんがい農法が導入されたと考えられてきた。しかし近年の研究によると、その後の古墳時代(3~7世紀ごろ)と比べ弥生時代は農具を使用した跡が不明瞭な場合が多く、不耕起栽培で稲作をしていた可能性があるという。

 

復元した弥生時代の農具(右)と古墳時代の農具
 そこで、弥生時代に使われていたとされる木刃の農具と、古墳時代のものを復元した鉄刃の農具を比較。それぞれを用いて実際に耕作することで使用方法を明らかにし、掘削跡や作業性などを比較する。白石准教授は「社会や国家の成立にもつながっていく、稲作技術の形成過程を明らかにしていきたい」と話す。

 山形県天童市で行われた実験では、復元した弥生時代の木製農具と、刃先を鉄製にした古墳時代の農具を使い、学生ら約10人が使い比べながら収穫後の水田で手作業の耕起を体験した。

 押し込むと自重で深く土中に入る鉄刃に比べ、木刃は体重をかけても深く掘れない。学生らは稲株を掘り起こすのにも苦労していた。実験に参加した人文社会学部の下山田衣里さん(21)は「鉄の農具は深く掘れたが、木製の農具は難しかった」と感想を話す。

 来春から複数年をかけて水稲栽培を繰り返すことで、地層にできるそれぞれの農具の使用跡を比較していく。
 

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