つなごう「ふるさとワーホリ」PR隊結成 学生目線で“現地取材” 

「ワカモノメンバー」として利島村特産のツバキの実の収穫を体験する原口さん(右)(東京都利島村で)

 総務省は、若者が農村で働きながら暮らしを体験する「ふるさとワーキングホリデー」の参加者を増やすため、大学生らのPR隊「ワカモノメンバー」を結成した。現地で農作業などを体験し、若者の視点で地域の魅力や特徴をインターネット交流サイト(SNS)で発信。新型コロナウイルス禍で交流が停滞する中、収束後に再び活気づくことを願い種をまく。(松村直明)
 

ネット投稿で魅力伝える


 東京都心部から南に140キロの離島、利島村。同メンバーとして原口拓也さん(20)は、10月下旬に7日間滞在した。特産のツバキの実を拾い集める収穫作業などを農家らと体験。現地での活動の記録を同省が動画にして、SNSなどに近く投稿する。

 原口さんは和歌山大学の2年生。島しょ文化に興味があり、将来は食や農に関する仕事に就きたいと考え、ワーキングホリデーに応募し、同メンバーに選ばれた。初めて訪れた同島では、行く先々で「どこから来たの」「頑張ってね」と声を掛けられた。作業の合間に一緒に食べた焼き芋の味は格別だった。「外からの若者の受け入れに寛容。旅行では感じられない雰囲気を多くの人に伝えたい」と、動画を通じて同世代の理解者が増えることを願う。

 同村は2019年度から、ワーキングホリデーの受け入れを開始。これまでに30人が訪れ、基幹産業のツバキ栽培の支えになってきた。

 受け入れの窓口を担うJA東京島しょ利島支店によると、人口300人余りの同村にとって、栽培面積約300ヘクタールを維持するには学生らは貴重な戦力だ。同支店はコロナ禍の状況を見据えながら、今後も受け入れを増やしたい考えで、担当者は、同メンバーの情報発信力に期待する。

 総務省が「ワカモノメンバー」を設立したのは、若者の間で広がる「田園回帰」の動きが「ふるさとワーキングホリデー」の追い風となっていると考えたからだ。同世代からの情報発信を重視し、10、20代の15人で構成。10月から活動を本格化させたが、コロナ禍の影響でメンバーの取材は、電話を中心に聞き取った内容などをSNSに投稿していた。

 原口さんは地域の理解を得て初めて現地取材を実現した。同省は状況を見ながら現地取材を増やす方針。コロナ禍を理由に受け入れを中止した地域もある中「ワカモノメンバーの発信を通じ、再開後の受け入れ数の確保を後押ししたい」(地域政策課)としている。
 

<ことば> ふるさとワーキングホリデー


 学生らが長期休みを利用して農村などに滞在し、農業などに従事しながら現地での暮らしを体験する制度。総務省が16年度から始め、19年度末までに3323人が参加している。20年度は新型コロナの影響で受け入れを見送る地域も多く、参加人数が減る可能性がある。
 

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