〈ジャジャジャジャーン〉は誰もが知る出だし

 〈ジャジャジャジャーン〉は誰もが知る出だし。毎朝目覚まし時計が奏でるのは「田園」。今年は楽聖・ベートーベン生誕から250年である▼ドイツのボン生まれ。世界最大級の都市だったウィーンで才能の花開く。何度かこの都市を訪ね、至る所に銅像をはじめ彼由来の史跡があるのに驚いた。しかも、泊まったホテルも彼の名前を冠していた。連日、オペラでにぎわう音楽の都にとっても特別の存在なのだと実感した▼ベートーベンとは風変わりな名前である。その名はテンサイ(ビート)の農場を表すともされる。だが、音楽は冒頭の交響曲第5番「運命」のように革新性に富み、名前の“砂糖ダイコン”のようには甘くない▼この天才を知るには『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』(片山杜秀、文春新書)が参考になる。同著は彼の音楽の特徴を分かりやすい、うるさい、新しいの三つだとする。市民革命の時代に生き、音楽にも革命をもたらす。日本人におなじみは〈第9〉と称され年末恒例の「歓喜の歌」だろう。19世紀末ウィーンを代表する画家、クリムトはこの歌を題材に巨大な壁画を制作した▼聴力を失いながらも、大衆向けクラシック音楽を確立し大作曲家となる。最大の“作品”は、自身の生涯だったのかもしれない。

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは