[愛媛・JAえひめ南移動編集局] 伝統のバリバリ復活へ 地域特産「雷漬」作り挑む 愛媛県立北宇和高

雷漬に使うカブを収穫する北宇和高の野菜班(愛媛県鬼北町で)

 愛媛県鬼北町にある県立北宇和高校は、地域の店頭からいったん姿を消した漬物「雷漬」の復活を目指して活動している。6次産業化学習の一環として4年前から開始。当時の生徒は既に卒業しているが「地域の特産品を“若者力”で継承していこう」という先輩の思いを継ぎ、今年から新たな商品の開発にも乗り出した。
 

町おこしに新商品も


 雷漬はユズや昆布、酢などで作る煮汁にカブを漬け込んだもの。かむと「バリバリ」という雷に似た音がすることから名付けられたとされる。

 鬼北町に隣接する松野町などで農閑期の農家の副業として作られてきたが、高齢化もあって家庭で作る人が減少。今は1グループが小規模に作っているだけで、7年前にはいったん店頭から消えたとされる。

 JAえひめ南宇和島支所貯金担当の橋本治奈さんも同校の卒業生で、2年前に雷漬作りに携わった。「多くの人がつないできた食の伝統が途切れていいのか、と疑問に感じたことが活動の原動力だった」と振り返る。

 現在活動を引き継いでいるのは野菜班の3年生5人。生徒らは「雷漬を知ったのは高校に入学してからだけど、おいしいので多くの人に知ってもらいたい」と話す。

 今年の漬け込み作業は11月上旬から始めた。校内の畑2アールで栽培したカブを収穫して洗い、輪切りにして3日ほど乾燥させた後、3ミリの薄さでかつらむきにした。

 煮汁には、同校やJAユズ加工施設などのユズ約30キロを使う。乾燥させたカブに煮汁を1カ月ほど染み込ませれば完成。無添加で自然の素材にこだわって作る。

 今年は「鬼」で町おこしに取り組む鬼北町のイメージに合わせて「赤い雷漬」も作る計画だ。伝統の味や食感を変えず、赤みを出すために試作を進めている。

 パックに貼るラベルのデザインも考案中。同町の道の駅にある赤鬼のモニュメント「鬼王丸(おにおうまる)」を取り入れるアイデアも出ている。

 紅白の雷漬300~400パック (1パック 200グラム)を、12月下旬から1月上旬にかけて完成させる予定で、校内や町内の施設などで販売する。

 野菜班リーダーを務める薬師寺舜さん(18)は「生産者の高齢化で店頭から失われてしまった雷漬の伝統の味を復活させ、技術を継承していくことは、若者である自分たちの役目だと思っている。松野町の特産品であり、鬼北町の地域活性化にもつながる雷漬を、後輩にも受け継いでいきたい」と話す。

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