北海道100年間の米品種解析 寒地向く遺伝子発見 農研機構

 農研機構・北海道農業研究センターなどは、北海道で稲の栽培が始まって約100年間の品種をゲノム解析し、稲作の安定化に貢献した遺伝子を明らかにした。寒地での栽培に適する早生などの性質に関係する遺伝子を突き止めた。次世代の優良品種に向けた戦略的な育種に貢献するとしている。

 北海道の稲作は1890年ごろに始まり、稲は品種改良の歴史の中で、晩生から早生へと変化したとされる。稲は本来熱帯の植物で、生育期間が短い寒地では、早い出穂や登熟が求められる。加えて分げつは多く、背丈は長稈(ちょうかん)から短稈へと改良され、安定栽培が可能になった。

 10アール当たりの収量は、戦前まで300キロ以下と低かったが、近年は栽培技術や品種改良により、同500キロ以上で安定している。食味も向上し、日本有数の米どころとして地位を確立した。同センターは、安定生産の要因となった有用遺伝子を明らかにした。

 北海道の歴代品種19と本州のコシヒカリ系品種8について、遺伝子の塩基を高速かつ大量に解読する技術を用いて比較。早生と分げつの多さに関わる遺伝子「Hd1」が近年の品種に共通することを突き止めた。「Hd1」は北海道在来の品種にはなく、本州品種から交雑育種によって人為的に導入されたと考えられる。

 同センターの藤野賢治上級研究員は「研究結果は、育種を効率化する新しい方法論につながる。生産基盤が不安定化する中で、将来に向けて戦略的な育種が必要だ」と話す。
 

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