イチゴ つり下げ式高設 高収量&作業効率化 静岡・磐南ファーム

栽培ベッドを全部上げ、SSを女性従業員が1人で運転して防除する(静岡県磐田市で)

 磐田市の磐南ファームは、欧州から約1・8ヘクタールの大型ハウスとイチゴのつり下げ式高設栽培システムをセット導入し、今シーズンから本格栽培を始めた。10アール当たりの定植本数は、慣行の1・6倍。高収量を期待する。作業時は、栽培ベッドを上げて通路を作る。全部上げるとスピードスプレヤー(SS)が自在に走行でき、1時間で30アールの高速防除を実現した。

 約3・5ヘクタールの敷地にフランス・リッシェル社の丸屋根型鉄骨大型ハウスを建設した。間口12・8メートル、棟高8メートルの18連棟で、内部は1室になっている。側面は二重構造で、ビニールの間に空気を送る。空気膜となり保温性を高めている。両開きの幅2メートルの大きな天窓で換気する。

 栽培ベッドはオランダ製で、約5メートルの高さからつり下げる。モーターで地上から高さ0・7~2・3メートルの範囲を上下する。収穫や管理作業の時は作業しやすい高さに下げ、作業者の通路はベッドを上げて確保する。

 通路が無い分、定植本数は10アール当たり1万1000本と多い。今シーズンの目標収量は113トンに設定。10アール当たり約6・5トンになる。

 ベッドの長さは1本35メートルで重さが1トンある。つり下げるには強度が必要で、ハウスとベッドをセットで輸入した。

 床は収穫果の輸送時の荷傷みを防ぐため、農地法上できるようになった全面コンクリート張りにした。防除は果樹用のSSを使う。同社技術部の竹内常雄部長は「慣行の動力噴霧器による手散布は、30アールを2人で8時間かかるが、女性が1人でできて驚いた。下から散布するので、葉裏に薬剤が掛かりやすい」と話す。

 用水は天井に降った雨をタンクにためて賄う。ベッド脇に設置したチューブで温湯暖房する。ヤシ殻培地に点滴チューブで自動給肥し、複合環境制御装置も導入した。コンクリート張りで乾燥するので、近く加湿用のミスト装置を設置する。

 事業費は約12億円。同社は石川建設の子会社で、磐田市、JA遠州中央、静岡県信連、日本政策金融公庫が連携して建設を支援した。
 

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