古都に思いはせ照らす 滋賀県甲賀市・宮町営農組合
2020年11月25日

ライトアップされるWCS(滋賀県甲賀市で)
滋賀県甲賀市信楽町の農事組合法人宮町営農組合は10月下旬から11月下旬まで、宮町地区の農地で稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)のライトアップをしている。同地区は、745年に聖武天皇によって都が建てられたとされており、今回は、その跡地にロール状に梱包(こんぽう)した状態のWCSを並べ、太陽光充電のライトで照らしている。
同営農組合の黄瀬忠幸組合長は「WCSが主役のライトアップは珍しく、幻想的な雰囲気も相まって、注目を浴びている。『あれは何だろう』というところから、農業やこの地が都だったことに興味を持ってもらえればいい」と期待を込める。
同営農組合の黄瀬忠幸組合長は「WCSが主役のライトアップは珍しく、幻想的な雰囲気も相まって、注目を浴びている。『あれは何だろう』というところから、農業やこの地が都だったことに興味を持ってもらえればいい」と期待を込める。
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2年ぶり中国向け米輸出再開 国内3工場で物流効率化 全農パール神奈川工場
全農パールライス神奈川精米工場(神奈川県綾瀬市)が、中国向けの米輸出を2年ぶりに再開した。2018年に中国が検疫対象とするヒメマダラカツオブシムシが発見され輸出を停止したが、駆除を続け虫が一定期間発生していないことを確認した。国内の中国向け精米施設が3工場に戻り、輸送の効率化が見込まれる。
中国に輸出できるのは、中国が認可した指定施設で精米・薫蒸した米だけ。……
2021年01月24日

作州黒と作州栗の味わいようかん JA晴れの国岡山
JA晴れの国岡山奈義農産加工所が作る。岡山県北東部に位置する勝英地域の特産品で、「丹波黒」に由来する黒大豆「作州黒」と、同県が品種登録した国産の甘栗「作州栗」を蜜煮にし、県産大納言小豆で包み込んだ。
あんの上品な甘さが口の中で広がり、「作州黒」ではこく深い味わいが、「作州栗」ではほくほくとした食感が楽しめる。注文があってから、一つずつ丁寧に手作りする。大切な人へのプレゼントや、自分へのご褒美にも合う逸品だ。
1個(40グラム)220円。6個入り1000円、12個入り2000円。電話でだけ注文を受け付けている。問い合わせはJA晴れの国岡山奈義農産加工所、(電)0868(36)4121。
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2021年01月22日

世界の協同組合事業高 上位にJA系8組織 ICA
国際協同組合同盟(ICA)は、世界の協同組合の事業高(2018年)ランキングをまとめた。発表した上位300組織のうちJA関連は、新たに3JA経済連が加わって合計8組織がランク入りした。事業別のランキングでは、JA厚生連なども上位に入った。報告書「世界協同組合モニター」で公表した。
新たに加わったのは、鹿児島、愛知、宮崎の各JA経済連。……
2021年01月27日

長芋入り青汁 北海道・JAオホーツク網走
北海道網走市産・大空町東藻琴産のナガイモの粉末と二条大麦若葉末、乳酸菌を使い仕上げた。ナガイモはカリウムやポリフェノール、食物繊維が多く含まれ免疫力を高めるとされ「栄養が豊富で飲みやすい」と好評だ。
JAオホーツク網走がメーカーと飲みやすさを重視して開発。JAは「健康と美容に毎日飲むサプリメントとして最適」とPRする。
30袋入り(1袋3グラム)3300円。網走市の「道の駅流氷街道網走」や大空町の「道の駅ノンキーランドひがしもこと」「ひがしもこと乳酪館」、JA内アンテナショップなどで販売。問い合わせはJAオホーツク網走販売企画課、(電)0152(43)2311、またはオホーツクテロワールドゥ、(電)0152(67)7700。
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2021年01月26日
日本産食品の規制緩和 輸出拡大に期待 香港
香港政府が、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う日本産農林水産物・食品の輸入規制を緩和した。福島など5県以外の都道府県産の食品について、全食品・全ロットに義務付けていた放射性物質検査を抽出検査に変更。これまでより円滑な流通やコストの削減が見込め、輸出拡大が期待される。だが、5県についての規制は残り、早期撤廃は課題のままだ。
香港は原発事故後、福島県産の野菜や果実、牛乳などの輸入を停止。……
2021年01月27日
地域の新着記事

どんな町?どんな人? 「地域おこし協力隊」“お試し” 理解深め末長く 北海道ニセコ町
条件不利地などに原則1~3年赴任して農山村の活性化を目指す「地域おこし協力隊」の「お試し」が、各地で広がってきた。これまで任期途中で辞める人も多かったことから、長期赴任前に数日間地域に滞在することで、受け入れ側とのミスマッチを少しでもなくすのが目的だ。導入する農山村は「地域をPRする契機とすることで関係人口の増加にもつながる」と効果を感じている。(尾原浩子)
ミスマッチ防ぎ関係人口増期待
1月中旬、豪雪地域の北海道ニセコ町で広島市から来た会社員の和田健斗さん(23)が、直売所「ニセコビュープラザ直売会協同組合」の奥芝利弘店長から町の農業について聞いていた。「来ないと分からないが、観光だけじゃなく農業が盛んなんだ。冬でも野菜は豊富。夢を応援するし、相談にも乗るよ」と笑顔で話す奥芝店長の言葉に、和田さんは安心した様子だ。
1月から2泊3日程度で協力隊希望者の「お試し」を受け入れ始めた同町。和田さんはその1期生だ。3日間の体験移住を通じ「雪の多さには驚いたが、やっていける。この町の協力隊になりたい」と思いを確かなものにした。自然の中で暮らしたくて協力隊を志望したが、まだ現在の仕事を辞めておらず「お試しなら気軽に参加できる」と考えて応募した。
同町では10年前から協力隊員らと地域づくりを進めており、現在は隊員23人が活躍。任期を終えた21人のうち7割が定住するなど成果を上げている。しかし中には、仕事を辞めるなど退路を断って赴任したにもかかわらず、受け入れ側と双方で意識の齟齬(そご)が生まれる状況もあった。
同町で協力隊を担当する川埜満寿夫さん(42)は移住コーディネーターや野菜ソムリエ、地域の拠点づくりなどさまざまな仕事で生計を立てる奥田啓太さん(35)に相談。1次産業に携わる人や現役隊員との交流、直売所訪問などを企画した。
奥田さんは「ハードルを下げてさまざまな人に来てほしいが、どんな人が来るのか少しでも分かっておけば、受け入れる側の安心感につながる」と実感。川埜さんは「協力隊の希望者は道外出身者が多く、ニセコ町をイメージしにくい人もいる。隊員にならなくても、町の魅力を知るきっかけにしたい」と期待する。
現状では新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言が再発令された地域の希望者は参加できないものの、2021年度も感染対策を徹底した上で希望者を受け入れる考えだ。
インターン制新設 総務省
総務省によると、19年度の地域おこし協力隊員は5503人。全国1071の自治体が受け入れている。同省は同年度に「おためし地域おこし協力隊」制度を始めた。実施する自治体には特別交付税措置で支援する。
同省によると、初年度は36自治体が「おためし協力隊」を導入。お試し期間を経て採用に結び付かなかったケースもあるが、新潟県柏崎市は「集落の世話人と話し、雰囲気を確認できる意味は大きい。2泊3日なので会社員でも気軽に参加できる」と効果を感じている。
21年度からは新たに、協力隊に関心を持つ人に2週間~3カ月の任期で活動を体験してもらう「インターン制度」も設ける。お試し、インターンとも自治体や希望者の希望に沿って導入でき、両制度で行政、住民、協力隊のミスマッチを防ぎたい考えだ。
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2021年01月27日

「獺祭」旭酒造が「山田錦」コン グランプリに北嶋さん(福岡県朝倉市) 価格は1俵50万円
日本酒「獺祭(だっさい)」の原料となる酒造好適米「山田錦」の品質を競う全国コンテストで、朝倉市のウィング甘木の北嶋将治さん(47)が最高位のグランプリに輝いた。「獺祭」の蔵元、山口県岩国市の旭酒造が3・6トンを3000万円で買い取る。北嶋さんは「従業員一同、胸を張って言える素晴らしい賞だ」と喜びをかみしめる。
コンテストは「最高を超える最高」をテーマに旭酒造が企画した「山田錦プロジェクト」の一環。2回目の今回は全国各地から127人がエントリーし、品質基準をクリアした63点を対象に米の粒そろいや色つや、着色などを審査した。準グランプリには山田錦栽培研究所(栃木県下野市)の紙本進さんが輝いた。
グランプリを受賞した米は、1俵(60キロ)当たり50万円の高値で取引される。市場価格の約20倍で、旭酒造は「最高を超える最高の獺祭」の原料として活用し、2月中には仕込みが始まる予定だ。
大規模農業を展開するウィング甘木は「山田錦」を約26ヘクタールで栽培。昨年は7月の長雨や台風に見舞われたが、社員15人が力を合わせ、高品質栽培という一つの目標に向けて取り組んできた。
コンテストの受賞結果は、旭酒造が23日、オンライン形式で発表した。ライブ中継で授賞式も行い、旭酒造の桜井一宏社長は「予選の時から、一目見て出来のすごさを感じた」とたたえた。北嶋さんは「地域の先駆けになれた誇りと重圧を受け止め来年度も気合を入れて頑張っていく」と意気込む。
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2021年01月27日

農福連携の選択肢広げる“技あり” ICT活用「体動かなくても活躍の場」
情報通信技術(ICT)やスマート農業の進歩で、体を動かすことができない重度身体障害者らも農業分野で活躍できる環境が整ってきた。接客やAI機器開発の一端を担うなど、農福連携の新たな姿を見せている。専門家は「障害者の雇用の幅が広がる可能性を秘めている」と話す。(川崎学)
分身ロボ 農産品PR
宮城大学は遠隔操作が可能な分身ロボット「OriHime(おりひめ)」を使い、重度の身体障害者が接客販売をする実証実験をした。……
※次ページで梨収穫ロボットの開発に関わるNPO法人あさがお(福島県南相馬市)の紹介があります。
2021年01月26日
人材集まれ地域で独自策 北海道40JAが着手 北農5連協事業
新型コロナウイルス禍で外国人技能実習生が来日できないことによる人手不足に対応し、北海道の約40のJAなどが地域の課題に応じて自ら発案した人材確保策に着手した。JAグループ北海道の連合会でつくる協議会が、今年度から始めた助成事業を活用。新規就農者の育成、雇用環境や労務管理の向上、農福連携や、農業の魅力PRといった幅広い取り組みが広がっている。(望月悠希)
雇用環境の整備や関係人口創出
JA北海道中央会やホクレンなどで組織する「北農5連JA営農サポート協議会」が、新型コロナウイルス感染症に係る農業人材確保特別対策事業として実施。今年度からJAや農協連を対象に、人材確保を目指すメニューにかかる費用の5割以内または3割以内を補助する。
中央会によると昨年、農業分野で技能実習生や特定技能の外国人375人が、コロナ禍で入国ができなかったり、遅れたりして人手不足が深刻化した。
そこで、主に①障害者や移住者ら多彩な新たな人材の活躍②求人サイトなど新たな募集③空き家の利活用などによる宿泊施設の整備など人材の定着化④労務管理向上⑤産地間連携⑥農作業支援──などを支援することにした。
新規就農者の宿泊施設確保や、関係人口創出につながる農作業体験、求人広告や産地間連携など各JAが独自に対策を展開。外国人技能実習生の入国が遅れたことによる掛かり増し経費なども助成した。即効性ある対策から、中長期的な視点での新規就農者育成までJAの自由な発案に対して補助し、助成額は総額8400万円(計画ベース)となった。
JAきたそらちは、道外の移住者や地域の若者らを呼び込むため、法人就農による人材確保に向けて農家の法人化を推進。事業を活用して今年度から毎月1回税理士を招き、無料の相談会を開く。法人化を目指す組合員から「専門家の意見を聞ける」と好評だ。
JA北オホーツクは農業後継者を確保するため、新規就農者の研修を行うJA出資型法人を立ち上げた。事業を新規就農者や従業員の居住施設の建設に活用。JAは「中長期的な視野で新規就農者を受け入れ、地域の後継者対策につなげたい」と話す。
JA今金町は、約40人のパート従業員らが働くジャガイモの共選施設の労働環境を整備。施設ではトイレが和式で、高齢の従業員には足腰の負担も大きかった。事業を活用し、簡易水洗の洋式に整備。今後は人材派遣なども活用し、人手確保に力を入れたい考えだ。
この他のJAでは、入国できなかった外国人技能実習生の入国前講習の費用や、空港での待機に対する宿泊や移動の補助など、実習生受け入れについて支援するケースもあった。
JA北海道中央会の小野寺俊幸会長は「JAによる技能実習生らの代替人材の確保、人材定着に向けたさまざまな環境整備など、国の事業では対応しきれない多様な取り組みを促すことにつながった」と話す。
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2021年01月25日

大雪「早期に対応策」 秋田県横手市を視察 葉梨農水副大臣
葉梨康弘農水副大臣は24日、昨年12月からの記録的な大雪被害を受けた秋田県横手市を視察した。大雪で倒壊したパイプハウスを視察するとともに、行政関係者らと意見交換を行った。農家からは営農再開に向けた要望があり、葉梨副大臣は「早期に対応策を示すことで、生産者が営農意欲を失わないようにしていきたい」と話した。
葉梨副大臣は雪によって144棟のパイプハウスが壊滅的な被害を受けたホウレンソウ団地を視察した。……
2021年01月25日
地域内外の知恵生かす 関係人口創出モデル報告会
鳥取県と長野県塩尻市は23日、「関係人口」の創出に向けた事業の報告会をオンラインで開いた。地域の住民や企業だけでなく外部の専門家らを巻き込みながら、関係人口を呼び込む企画を立案、実践する同市独自の手法を紹介。同市を参考に、農業分野の関係人口づくりを目指す鳥取県内の事例なども報告した。自治体職員や関係事業者ら約90人が参加した。
塩尻市は関係人口を呼び込む活動を企画立案し、実行するまでのプロセスを紹介。住民や企業が専門家の助言を受けて課題を整理し、活動の内容をまとめた「仕様書」を作成。実践に当たっては外部人材を募り、地域外の視点も入れながら進めているとした。
具体例として地場産ワインの消費拡大に向けて、広報の専門家の協力を受けてファン組織を設立。オンラインイベントも開いたことを報告した。
塩尻市の手法に注目した鳥取県は、関係人口の創出を目指す県内の自治体に情報を提供。実践に移している地域が内容を報告した。このうち大山町は、農業の担い手と労働力不足の解決を目指し、関係人口を呼び込む計画を発表した。鳥取県主催で「まちづくりワーケーションフォーラム」も開いた。休暇で訪問した先で働くワーケーションの将来像と関係人口の創出について、有識者らが意見を交わした。
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2021年01月24日

奈良・明日香村移住者へ 「農+観光業」を提案 収入安定し放棄地も解消
奈良県明日香村は、観光業を営むために村に移住した人などを対象に、耕作放棄地を活用して農業に取り組んでもらうプロジェクトを2021年度から本格的に始める。初心者でもできるように、耕作放棄地を整備して貸し出し、作業も手厚く支援する。より収入が安定する「農業+観光業」の暮らしを提案し、移住の加速と耕作放棄地解消につなげる。
整備後に貸し出し
明日香村には飛鳥時代の史跡が多く残され、年間約80万人が訪れるなど観光が盛ん。……
2021年01月23日

防疫対策で養豚中止 鶏舎に改良 岡崎おうはん初出荷 愛知県立猿投農高
愛知県豊田市の県立猿投農林高校は、今年度から地元のブランド鶏「岡崎おうはん」の飼養を始め、1月中旬に肉の初出荷を迎えた。きっかけは2019年に県内で猛威を振るった豚熱。飼育していた豚を防疫のため全頭出荷後、豚舎が老朽化していたため再導入を諦めていたが、生徒主体で平飼いの肉用鶏舎としてよみがえらせた。生徒らは「高校の新たな名物にしよう」と奮闘している。
「新名物に」奮闘
同校では母豚5頭を飼い、繁殖と肥育をしていたが、豚熱拡大を受けて19年11月までに全頭を出荷した。……
2021年01月23日

[震災10年 復興の先へ] 「酪農復興」誓い前へ 800頭規模に成長 福島の牧場「フェリスラテ」
東京電力福島第1原子力発電所事故で多大な被害を受けた福島県の酪農。復興を胸に誓い、被災者5人で立ち上げた福島市の復興牧場「フェリスラテ」は、飼養頭数800頭と東北トップクラスの規模に成長し、繁殖から子牛の育成、搾乳までの一貫生産体制を整えた。被災地の酪農をけん引し、完全復興に向けて歩みを進めている。(高内杏奈)
一貫生産体制整える
福島駅から車で約20分。市街地から西に進み、桃やブドウの果樹園を抜けると、3・6ヘクタールの広大な敷地に白く輝く牛舎がそびえ立つ。牛舎はフリーバーンで、牛は自由に歩き回り、ゆったりとわらをはむ。パーラーは一度に40頭搾乳でき、1日の出荷乳量は15トン。飼料作りは国内最大級のミキサーを使う。
「嘆き悲しむだけじゃ変わらない。酪農に関わり続けるため必死に築いた」と話すのは田中一正代表。牛舎の設計から携わった。
2014年に設立したフェリスラテは、福島県酪農業協同組合が事業主体。田中代表ら被災した酪農家に呼び掛け、5人が役員として運営。19年には分場をして、震災後は酪農が途絶えていた飯舘村で乳牛の育成を始めた。もと牛の育成に限定した牛舎で200頭を飼う。県内で繁殖から育成、搾乳までの生産システムを整えた。「道のりは長かった。福島の酪農を再建したい、その思いだけでやってきた」(田中代表)。
原点の地でもう一度
事故当時、県酪農協の組合員のうち3割が浜通り地区におり、その大部分が避難指示区域になった。区域外への流出・餓死・事故死した牛は約2500頭に上り、同県酪農の基盤が大打撃を受ける事態になった。
飯舘村にいた田中代表も、当時飼っていた乳牛50頭の半数を殺処分せざるを得なかった。「何が何だか分からない状況。牛をと畜場に運ぶ家畜車が自分の所に来た時は、悲しみと牛に対しての申し訳なさでいっぱいだった」と振り返る。
関東の大規模牧場で経験を積んだ田中代表は01年、同村長泥地区を経営の場に決めた。“俺の牛舎だ”と胸を張って見上げた時の牛舎の香り、優しい風、期待感を今でも覚えている。ただ牛が好きだった。
そんな思い入れのある村から避難を強いられ、知り合いを頼りに隣県の牧場で働いた。「やっぱり出発点の福島で、もう一度酪農をしたい」。県酪農協から打診があったのはそんな時だった。
フェリスラテの従業員約30人のうち、7人はまだ20代だ。田中代表はマニュアル化や月1回の勉強会を通して次世代育成に取り組む。
搾乳担当の丸森成美さん(23)はテレビ番組でフェリスラテを知り、短大卒業後に就職した。「若手の意見を尊重してくれる。福島の復興に向け、もっと戦力になりたい」と笑顔を見せる。
長泥地区は今も避難指示が解除されていない。田中代表が考える完全復興は、出発点だった長泥地区でもう一度酪農ができるようになることだ。「ハード面の復興は進んだが、『時間が進んでいない場所』がある現実を無視できない」と強調する。
今後は和牛肥育を拡大する予定だ。完全復興のその時まで、フェリスラテの挑戦は止まらない。
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2021年01月23日

ダンスで「広島レモン」PR テレビ局企画動画で配信 果実連が参加
県を代表する特産かんきつ、レモンをダンスでPRする企画が始まった。中国放送(RCC)のレモンを冠した公式キャラクター「レモナルド・レモンチ」のオリジナルダンスを視聴者が踊り、動画を撮影して投稿する参加型ダンスイベントだ。……
2021年01月22日