改正種苗法成立 海外流出防止へ 21年4月施行

 優良品種の海外流出の防止を目的とした改正種苗法が2日、参院本会議で可決、成立した。品種の開発者が栽培地域を国内や特定の都道府県などに限定できるようにする改正は、2021年4月に施行。品種登録した品種(登録品種)の自家増殖を許諾制にする改正は22年4月に施行する。

 現行法では、正規に購入した種苗であれば、一部の国を除いて海外に持ち出すことは違法ではない。施行後は「国内限定」などの利用条件に違反した場合、個人なら10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、法人なら3億円以下の刑事罰に問える。民事上は、流通の差し止めや損害賠償の請求ができる。

 自家増殖の許諾制については、農家は既に購入した種苗でも22年4月以降に自家増殖する場合は許諾を得る必要がある。ただ、在来種や品種登録していない「一般品種」は対象外。許諾の簡素化のためJAなどの団体が一括で手続きでき、農水省は契約書のひな型を示す。許諾料について同省は国会審議で「著しく高額になることは考えにくい」(野上浩太郎農相)との見解を示している。

 改正案は先の通常国会に提出されたが、継続審議となっていた。改正による農家の負担増などへの懸念を踏まえ、衆参両院の農林水産委員会は付帯決議を採択。政府に対し、種苗の適正価格での安定供給や、自家増殖の許諾手続きが農家の負担にならないよう運用することなどを求めている。

 同省は今後、自家増殖の許諾の手間をさらに軽減する仕組みを検討する考え。農家が、登録品種の許諾条件や利用条件を検索できるデータベースも整備する方針だ。


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