鳥インフル 大分、和歌山でも 発生8県に広がる

 農水省と大分県、和歌山県は10日、両県の養鶏場で鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。高病原性と確認されれば、大分県が20例目、和歌山県が21例目となる。発生は8県に拡大。警戒が必要な状況が続くことから、同省は全国の農場に緊急の一斉消毒を求めている。

 野上浩太郎農相は同日、農水省の鳥インフルエンザ防疫対策本部で、全国一斉消毒について9日に都道府県に通知したと説明。「今後の全国的な発生に強い危機感を抱いている」とし、10日も防疫措置に必要な人員や物資、埋却地の確保を事前準備し「発生時の初動防疫に備えるよう都道府県に求めた」と述べた。

 大分県佐伯市の農場では、肉用鶏5万6000羽の殺処分を始めた。9日に死んだ鶏が増加し、県に通報。10日にH5亜型と分かった。移動制限区域(半径3キロ圏内)は3戸が3万2000羽、搬出制限区域(同3~10キロ圏内)は8戸が11万1000羽を飼育する。

 和歌山県紀の川市でも採卵鶏6万7000羽の殺処分を始めた。9日に県に通報。10日にH5亜型と分かった。移動制限区域で1戸が440羽、搬出制限区域では6戸が2万2000羽を飼う。
 

最大警戒も…農家落胆


 高病原性のウイルスが相次いで見つかっていた福岡、宮崎に隣接する大分県。最大限の警戒心を持って防疫対策に取り組んでいただけに、発生は農家を落胆させた。

 発生地の佐伯市と同じ県南部の竹田市で採卵鶏を飼養する40代の農家は「(隣県で多発していたことで)どこで出てもおかしくなかった」と受け止める。自身は週1回だった消石灰の散布を2、3日に1回に増やし、効率化のため消石灰をまく機械も入れるなど、対策を徹底してきた。「これ以上できることはない。後は天命を待つしかない」と諦念をにじませる。

 大分県養鶏協会は10日、加入する85戸の農家に注意喚起の文書を送付。鶏舎内外の清掃、飲料水の汚染対策などをまとめた内容だ。協会は「何度も農家に呼び掛けてきたことだが、今は毎日の管理を徹底してもらうしかない」とこぼす。
 

 和歌山県紀の川市の発生農場では10日午前9時から、飼養する全6万7000羽の殺処分が始まった。県職員に加え、県の災害派遣要請を受けた自衛隊員が常時合わせて280人体制で作業に当たる。

 

鳥インフルエンザの発生を受け、防疫作業に当たる関係者(10日、和歌山県紀の川市で=和歌山県提供)
 県家畜保健衛生所に通報があったのは9日正午。県によると死んだ鶏の数は「数羽程度」(畜産課)と限定的だったが、近隣の奈良県五條市で6日に発生していたこともあり、早期通報につながったという。

 和歌山県養鶏協会は「今季は全国で多発しており、常に緊張感を持って警戒してきた。県内で発生したインパクトは大きい」と驚きを隠さない。

 同県は渡り鳥が集まりやすいため池が5065カ所あり、全国で6番目に多い。県は11月下旬に県内養鶏場に消石灰を配り、緊急消毒をしており「飼養衛生管理基準の徹底を引き続き呼び掛けていきたい」と話す。
 

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