鳥インフル 続く移動制限 防疫長引き影響拡大 香川・三豊市

 香川県三豊市で高病原性鳥インフルエンザの発生が止まらない。11月5日の1例目以降、12月16日までに、ほぼ半径3キロ以内で11例の発生が確認される異常事態だ。県は封じ込めに懸命だが、殺処分して埋却や消毒をする防疫措置の完了に時間がかかった。移動制限の解除も越年が決まり、影響が広がっている。

 三豊市は今年2月1日時点で93農場が425万3000羽を飼養する四国屈指の養鶏地帯。採卵鶏だけでなく、ブロイラーや採卵鶏のひなを育てる農場も多く、愛媛県内の業者は「四国の養鶏産業を支える要」と説明する。県内で発生した12例のうち、11例が同市に集中。殺処分した羽数は170万羽を超える。

 県の担当者が「潮目が変わった」と指摘するのは県内6例目以降だ。5例目までは発生から防疫措置の完了まで5~11日だったが、疫学関連農場も含め約36万6000羽を殺処分した6例目は防疫措置完了までに22日間かかった。7~9例目についても、完了まで11~23日間を必要とした。

 県畜産課によると、殺処分の羽数が多い(6、7、9例目)のに加え、鶏を埋める埋却溝を掘ると水が出たこともあった(6例目)。また、養鶏場内に埋められる場所がなく、複数回、埋却予定地を変えたケース(8例目)もあったという。

 今月12日には残っていた7、9例目の防疫措置が完了。早ければその10日後に搬出制限、21日後に移動制限が解除される見通しだった。だが、14日に県内11例目の高病原性鳥インフルエンザが発生。香川県の浜田恵造知事は「防疫措置が完了した直後での発生で大変残念。いまだ厳しい事態が続いていると重く受け止めている」と述べた。

 三豊市では発生が半径3キロ圏内に集中し、移動制限区域が重なっている。①ブロイラー②種鶏③種鶏場からふ化場に持ち込む卵──を移動制限区域外に持ち運べない状況が1カ月以上続く。

 移動制限が長引き、他県の養鶏農家にも影響が出ている。発生農場から採卵鶏を導入している徳島県の採卵業者は「現在25%の鶏舎に鶏が入っておらず、影響は長期化する」と話す。

 半径3キロ圏内では、採卵鶏の種鶏場やひなを育てる農場でも発生が確認されており、サプライチェーンが途切れた状態の長期化が心配されている。
 

高知で初発生


 農水省と高知県は16日、同県宿毛市の採卵鶏農場で、鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。高病原性と確認されれば同県で初、今季27例目となる。発生は11県に拡大。県は同日、約3万2000羽の殺処分を開始した。

 死んだ鶏の増加を受け発生農場が県に通報した。県は15日の簡易検査で陽性を確認後、遺伝子検査を実施。16日にH5亜型と判定した。

 発生した農場から半径3キロ圏内の移動制限区域に養鶏場はなく、半径3~10キロ圏内の搬出制限区域内は2戸が約580羽を飼育している。発生農場周辺では、車両の消毒ポイントなどを設置した。

 農水省は同日、鳥インフルエンザ防疫対策本部を開いた。野上浩太郎農相は「全国どこで発生してもおかしくない状況。各県の防疫措置完了に向けて全力で協力していく」と述べた。

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