漆産地復活へ 本格始動 奈良県曽爾村 森林組合と協定

柿の葉に漆を塗って作った食器(奈良県曽爾村で)

 国内の漆塗り発祥の地とされる奈良県曽爾村が、産地復活に向けて同市の森林組合と連携し、漆の植樹や生育管理に乗り出す。村民有志で取り組んでいた産地化に、村を挙げて取り組む構え。文化財の修復などで国産漆の需要が高まる中、年間約200本を植樹し、持続的な供給につなげる。今後は苗生産にも取り組み、漆の流通を目指す。

 同村によると、森林組合が漆の森づくりに取り組むのは全国でも珍しい。国は国宝や重要文化財の修復を原則国産で賄う方針を掲げる。一方、国内で流通する漆のうち国産は2%にとどまり、増産が課題となっている。

 同村では、触れるとかぶれる特性から伐採が進んだ。漆産地を復活させようと2005年から同村の有志が植栽に取り組んだが、植えても枯れてしまうなどしていた。そんな中、18年に漆塗りに引かれて村に移住した地域おこし協力隊員が、漆塗りのワークショップなどに取り組むようになり、機運が再び高まった。

 漆の樹液は採取できるまでに15~20年かかり、1本から取れるのは約200グラム。村は15~20年後に県内の文化財などの修復を同村産で賄えるよう、年間200本を目標に植樹する。管理や苗生産に森林組合の技術を生かす。県特産の柿の葉に漆を塗った食器などの商品の販売にも取り組んでおり、商品開発も進める。

 17日には、協定の締結に向けた調印式を同村で開いた。森林組合の田合豪組合長は「村の活性化のため、村一丸で取り組みたい」と意気込む。

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