アフリカ中心にバッタ被害 懸念さらに FAO 監視・防除 支援呼び掛け 

 サバクトビバッタがアフリカを中心に甚大な農業被害をもたらしている。今年に入り、国際支援で防除と駆除を進め、一定の成果を上げたが、いまだに多くの国で食料不安にさらされている。国連食糧農業機関(FAO)は、12月末からのバッタの大移動を懸念し、監視・防除に向けた各国支援を呼び掛けている。

 サバクトビバッタは主に西アフリカからインドにかけて大量発生している。移動しながら農産物などを食害する。1日の移動距離は最長で130キロに達する。ソマリアでは2月、トウモロコシなどの食害を受け、国家非常事態を宣言した。ケニアでも70年ぶりの大発生で、多くの農産物が被害を受けた。

 FAOによると、今年は防除と被害農家20万世帯への支援に2億ドル(約206億円)を拠出した。1月から10カ国・計130万ヘクタール以上の農地で駆除を行い、1800万人分の年間食料に当たる穀物270万トンの損失を防ぐことができた。

 しかし、被害が最も大きかったエチオピアやケニアなど5カ国では、既に3500万人以上が食料不安にさらされている。今後も被害が広がる中、適切な防除対策を講じないと、食料不安人口はさらに350万人増える可能性があるとしている。

 エチオピア東部とソマリアでは11月中旬、広範囲に頻繁な降雨でバッタ繁殖の好条件が整った。両地域では現在、ホッパーと呼ばれるまだ飛行できない幼虫が群れを形成している。一部の幼虫の群れは、強い南風で既に紅海を横切り、イエメンの内部からサウジアラビア南西部に移動した。12月末には群れの本格的な移動が始まり、エリトリア、スーダン、ケニアなどに飛来する恐れがある。

 屈冬玉FAO事務局長は「サバクトビバッタは影響を受ける地域全体で、食料不安を悪化させている」と強調。被害が最も大きいエチオピアなどで監視・防除を強化するには新たに4000万ドル(約41億円)が必要だとし、各国の支援を呼び掛けている。

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