干し柿熟練技つぶさに記録 スマートグラス活用 動画で保存 岐阜県美濃加茂市

スマートグラスを着けてのほうき掛け作業(岐阜県美濃加茂市で=同市提供)

 岐阜県美濃加茂市は、特産の干し柿「堂上蜂屋柿」の生産技術を残していこうと、カメラ内蔵の眼鏡「スマートグラス」を活用し、細かい作業内容を動画で保存する取り組みを始めた。ベテラン農家の技術を分かりやすくまとめて、新規就農者や生産者間で共有。産地を維持する。

 「堂上蜂屋柿」は品種「堂上蜂屋」を使い、皮むきや手もみなど全て手作業で仕上げる伝統干し柿。美濃加茂市堂上蜂屋柿振興会に所属する農家ら60人が生産し、地理的表示(GI)保護制度に登録されている。

 撮影は今年の加工作業から始めた。選別や皮むき、へた成形などの各工程について、スマートグラスを掛けてもらい農家視点で手元の作業を保存する。撮影中は市職員が質問し「注意点は何か」「どんな基準で行っているか」などを答えながら作業してもらう。

 同振興会は、GI登録に際して製法の基準は共有しているが、新規就農者にはすぐ実践するのが難しい、熟練者の経験による部分もあった。市は動画撮影で、細かいポイントや注意点などを全て記録したい考えだ。

 へたを四角く成形する時の切る方向などは、農家との問答を通して記録できた。「熟練者には当たり前の伝統技術を改めて説明してもらう。それらを蓄積して共有すれば、既存農家の気付きや意識向上にもつながる」(市農林課)と期待する。

 市は動画を基に、各工程をまとめた「マンダラチャート」を作る計画。タブレット端末などで知りたい項目を選べば、作業内容や様子を確認できるようにする。農家の高齢化が進む中、技術を継承しやすい形に変えて、産地維持につなげる。

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